☆ケガをしにくい体づくり[膝痛編]-3-

 -1- -2-で、膝痛の原因や予防についての考え方をみてきたが、ここでは予防するための体幹トレーニングをみていこう。
あくまでもケガの予防のためにおこなうもので、身体やヒザに痛みがある状態で実施すると症状が悪化する場合もあるので留意すること。
[TRAINING 1]開脚キープ
 開脚キープは、太もも前面だけではなく、尻や太もも裏の筋肉も使ったランジ動作の意識づけと、その安定性にねらいがある。
膝とつま先を同じ方向に向けて、骨盤を正面に向けたまま脚をできるだけ大きく開脚する。カカトの設置位置はヒザよりも前にする。この状態でフラフラ しないように、1分間キープしよう。

つま先を上げた状態をつくると太もも裏のハムストリングスや尻の意識づけが感覚的にアップできる。


[TRAINING 2]片脚T字バランス
 太もも裏、尻まわりを使ったランジの安定性と、背筋群の共同もねらったトレーニングだ。
膝を軽く曲げた状態から開始して、T字になるまで身体をゆっくり前に倒す。  ネット前に踏み込んでヘアピンや力強いロブを打つときには、背中が丸まった状態だとヒザへの負荷が大きく、安定しないので片脚T字バランス を取り組んで安定性に取り組もう。


[TRAINING 3]ヒップリフト
 太もも裏や尻まわりのトレーニング。ヒザとつま先を同じ向きにして、真っ直ぐ上向きにする。グラグラさせず、ゆっくりと尻を上げる。

応用1:床に着いているヒザの角度を浅くすると、より負荷が強くなる。

応用2:尻を上げながら片脚のヒザを曲げる。これは走動作の運動連鎖を考慮した応用だ。


(^_^)
 これまで指導の現場では、ランジ動作は「つま先はまっすぐに着こう」としてきた。これは、足首の捻挫予防のためには正しい考えだ。

 ただ、近年では踏み込んだヒザとつま先両方の向きを大きく内向きに接地させるトップ選手も見受けられる。特に次の球を読んで、素早くねらっているようなシーンが 増えている感じだ。これは、次の球に対してより速く動くことを追求するためで、前進ブレーキのための身体を正面に向けたランジ動作ではなく、反復横跳び (サイドジャンプ)のような動作の応用だと考えた方がよい。決してつま先だけを内向きに向けた着地ではないことを理解しておこう。 誤って接地すると、ヒザや足首など脚全体に大きなストレスを与えることもあり、安易なマネは大ケガにつながるので注意しよう。


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