☆ケガをしにくい体づくり[膝痛編]-2-

 踏み込みによるヒザの角度によって、負荷の大きさが変わってくる。負荷が軽減される踏み込み方や理論をみていこう。
[膝痛予防]ヒザへの負担を軽減させる踏み込み方
[POINT 1] バドミントンに適したランジ姿勢を覚える
 脚を前後・左右に大きく開いて踏み出すランジは、バドミントンに限らず様々なトレーニングで用いられるが、バドミントンのランジとウェイト トレーニングのランジでは加わる力の方向が異なる。
 ウェイトトレーニングのランジは、重量がかかるので加わる力の方向は主に上から下方向。素早い前進運動のステップに使うバドミントンのランジは、 横方向に流れる力を止める要素が強いのが特徴。そのため、前に出す脚は下方向ではなく、横方向への力を止める"つっかえ棒"のような役割で 使うことが大事になってくる。
身体の真下に足裏が着いたり、ヒザが曲がってしまうと、横方向への力を発揮できずにつっかえ棒の役割を果たさなくなる。
 また、正確なラケットワークのためには、下半身の安定と同時に上半身の安定も必要だ。例えば、背筋群の共同収縮などもその一例だ。 ケガの予防という視点だけではなく、プレーの精度にもつながる意識を持ってバドミントンに必要な、正しいランジを覚えよう。


[POINT 2] 理想的なヒザの角度は130度前後

 バドミントンのプレー中にランジ姿勢で踏み込む場合、ヒザの角度は130度前後が理想。その理由は、130度前後のヒザの角度が大腿四頭筋とハムストリングスの力を 発揮させるのにちょうど良いバランスとされているからだ。

 ヒザを曲げすぎると、大腿四頭筋に頼ったランジ姿勢になってしまう。ヒザの角度が深いと踏ん張る力の方向が上に向かうので、効率的に ブレーキ方向に力が加わらないことになるのでケガや障害のリスクが高まるだけではなく、フットワークのスピードにも影響してくる。

"グラグラしない"ヒザの安定性を高める
 ヒザの痛みにはヒザ周囲以外の筋肉や関節の使い方も影響しているので、ヒザだけに頼った踏み込みにならないようにポイントを抑えるのが大事だ。
[POINT 1]ヒザの安定性 = 尻まわりの安定性
 踏み込み時にヒザが揺れたり、内側に向いたりするとケガのリスクが高まる。
ヒザが安定しない理由は、ヒザ周囲の筋力不足によるものと考えがちだが、実際は股関節の硬さや尻まわりの安定性による影響が大きい。

 意識したいのは、ヒザ周囲の筋肉で踏ん張ろうとするのではなく、股関節まわりの筋肉を使ったランジ姿勢。踏み込み時に股関節で力を受け止める感覚で...。
股関節で力を受け止める感覚がよく分からないときは、台の上に利き足をかけて、体重をぐっと乗せる感覚で踏み込み、股関節に上半身を乗せる感覚をつかもう。 階段などでもOK、太もも前面ではなく、股関節に力が加わるの状態で踏み込み動作を何回が行えばよい。

[POINT 2] ヒザの運動の協調性を確認する
 複合運動(たくさんの関節を同時に動かす運動)の安定性は、単に筋肉が強いといういうものではなく、たくさんの筋肉をバランスよく収縮させて完成させる。 その動かし方を身体に覚えさせることが大事で、アンバランスな収縮はケガにつながる。
 バランスよく筋肉が使えているかを確認するために片脚スクワットをやってみよう。正しい姿勢でできる人は筋肉バランスよく 使えていることになり、トレーニング効果も期待できる。逆に上手くできない人は、バランスが崩れているため、リスクが高い姿勢でフットワークをしている可能性が高い。 できない人は、日頃からトレーニングに取り入れて、片脚スクワットができるようにしておこう。


(^_^)
 なぜ片脚で行うと難しいのか、
これは単なる筋力の問題ではなく、上から下への力だけでなく、骨盤の傾きや回転動作など複数の筋肉をバランスよく 使ってコントロールすることが必要なためだ。
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