さらに上を目指す

基本技術の"常識"を再考察
　今まで学んできた動き方や考え方は、本当に勝利につながっているのか、先輩から受け継いできたモノ、自分なりに工夫したものも含めて"基本技術"のポイントを再考察してみよう。そこからレベルアップにつながるヒントを得ることができたら．．．。
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(1)構え方
　選手は"自分のパワーやスピードを出し切る"ことが頭の中にあるハズ。勝つためには大切なことだが、パワーやスピードを正しく「引き出す」ことは、あまり深く考えていないのかも！　ガムシャラに動けばいい、とにかく速いラリーに勝てばいい、そんなプレーが多いのではないか。
　自分のパフォーマンスをうまく引き出すには、動きだす前の構え方がポイントになってくる。力んだ状態の構えより、リラックスした構えの方が前後左右のショットに対して素早く動き出せるので、より自分の力をシャトルに伝えやすい。動きが安定していれば正しくシャトルをとらえられて、ねらったコースにコントロールしやすくなる。
　ミスを修正できない選手の傾向として、コースやスピードなどの結果に目を向けがちだが、実は、打つ前の構えがうまくできていないことがミスショットにつながっているのだ。今回は「姿勢のバランス」と「力の抜き方」を意識した上で、フットワークやスイングにつなげるポイントを見ていこう。
特にレシーブ場面や、攻撃に転じる時の動きだしにつながるので、自分の構え方やフォームを再確認してみよう。

[考察１] 姿勢のバランスを考える
　シングルスのレシーブ時の一般的な構え方は、・軽くヒザを曲げ、・ラケットを前に出し、・重心を少し前にし、・肩幅より少し広いスタンスをとる　などを意識する。姿勢で注意するのは、頭が前に出すぎたり、尻が下がっていたり、ヒザを曲げすぎたりしないことだ。
　姿勢を横から見たときに、肩・ヒザ・つま先の位置、頭と丹田の位置がきれいに揃っていると姿勢のバランスがよいといえる。

[考察２] 振りやすさ、動きやすさを重視
　バドミントンの構えは、主にレシーブ姿勢をいう。相手のスマッシュ、カット・ドロップ、クリアーに対してスムーズにラケットが出やすい姿勢、一歩目の足を出しやすい姿勢が、その人の理想的な構えだろう。まずは先入観を捨てて、自分が一番振りやすい、動きやすい構えを再確認しよう。
　レシーブ時は「重心を落として構える」と言われるが、下図のようになると"頭が前に出すぎて、沈み込む構えは理想的ではない"。これは重心が乗りすぎてしまっているために、予想が少し違っただけで逆を取られる動きになってしまう。前後左右に動くことを考えると、沈みすぎる姿勢は動きにくさにつながってしまう。

[考察３] ラケットヘッドの位置
　シングルスとダブルスではラリーの速さが違うため、構え方を変える。前後の動きが多いシングルスはラケットヘッドを前に向けて上下に動かしやすい位置にする。ダブルスは、ラケットを少し寝かせ、最初からラケット面をネットに向ける角度で構える。
　ダブルスは早い展開のため、ラケットを前で構えいると、前でさわるためにラケットを一度後ろに引いたから押し出すと遅れるので、寝かせて構えていたラケットを面を押し出すようにシャトルに当てた方が、より前で、より正確に相手のパワーを利用するレシーブができる。テークバックを毎回大きく取ることなく、ミート力が上がるコンパクトなスイングができるようにしよう。

▽構え方(2)強化に続く

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