☆支持され続けるシャトル
 シャトルはシャトルの基礎知識で特徴をみてきた。
 ここでは、高い品質と比類無き耐久性によりハイレベルのプレーを約束するシャトルコック・・・ヨネックスの唯一日本製の「トーナメント」について、 歴史を変え、支持され続ける理由を探る。
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 BWF(世界バドミントン連盟)の公式球であり、五輪でも使用されるヨネックスの水鳥シャトルのなかでも唯一の日本製である「トーナメント」は、 公開競技だった1988年ソウル大会を含め、東京五輪で9回連続で使用される。使用され続けられる最大の理由は、飛距離の正確性を含めた高い品質と、 比類なき耐久性による信頼を勝ち得ているからだといわれる。
 最高の格を持つ全英OPにおいて、1984年から大会スポンサーを務めている。それ以前に使われていた海外メーカーでは2000ダースのシャトルを 使用していたのが、ヨネックスのシャトルを使用したのは300ダースほどになったといわれる。ヨネックスのシャトルの耐久性を物語るエピソードして 知られている。
 もう一つ、それまで選手たちは一発のスマッシュでシャトルが潰れる前提でプレーしていたが、ヨネックスのシャトルが使われたことで、それだけでは 勝てなくなり、長持ちするシャトルに合わせたプレースタイルになっていった。大きくバドミントン界に変化をもたらしたのだ。
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羽根は長さや太さ、骨格が少しずつ異なり、1羽のガチョウから実際に「トーナメント」として使える羽根は2枚程度。膨大な個体差のある羽根から16枚 が厳選され、1個のシャトルになる。その後も一つひとつのシャトルにバラツキがないように、職人がいくつもの検査でチェック。これを国内の工場で行っている。 <1>羽根をカットして16枚選別。シャトルの重さは4.74g〜5.50g。コルク部分が約2gで総重量を調整する。
<2>コルクに羽根を植え、形状や広がりのバランスをチェック。軸に傷がないかも手に取ってチェックする。
<3>12mを基準にして飛行距離、飛行軌道、ブレなどをチェックする。機械で試打したシャトルを検査員が黙視する。
<4>定期的に工員によって実際に一定時間打ち合う検査と機械を使うものと2つの耐久性の検査がある。
<5>最終的にもう一度、経験豊かな工員の目と手によって、軸や羽根の傷、接着の具合などを検査する。
<6>箱詰めされたパッケージに検定済みのシールを貼り、出荷準備完了。

[飛行特性]
 打たれた直後のシャトルは一瞬潰れた形になり、少しずつ元の形に戻っていく。このときの復元力と同時に、受け手から見て時計回りに回転して 飛んでいく。軌道は少し左へ流れる。右利きのプレーヤーがカットしたときに回転が増えるようになっている。
[環境特性]
 シャトルは「重いほど飛ぶ」特性があるので、高温の夏は空気抵抗が少ないのでよく飛ぶ傾向である。気温が1℃変わると5cm程度飛距離が変わるといわれている。  また、番手について、ヨネックスのシャトルは7段階に分かれており、番手の小さいものほど高温対応となっている。 1番は33℃以上、2番が27〜33℃、3番が22〜28℃、・・・7番が7℃以下。岡山南部では春・秋は3番、夏は2番、冬は4番が通常使われている。
 1番手違うと25pの飛距離の違いが出て、1番と5番では110pもの差が出る。重さも番手が大きくなるほど重くしてあるので、よく飛ぶようになっている。
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