シングルスのタイプ別練習(後編)
 シングルスプレーヤーを3つのタイプに分けて、それぞれの特徴と練習法を考えよう。前回からの続きは(2)ラリー型と(3)ダブルス型。
●2)ねぱりが身上、ラリータイプ。
 強い気持ちでしっかり動き、きれいなストロークでらをつなぐ。コートの四隅を丁寧に突いて、相手がバテるのを待つ。トナミ運輸の武下選手や 韓国の孫完虎選手らが該当する。体のバランスが安定していてシャトルに素早く寄ることができる。派手なプレーはないけれど、強いフィジカルで 勝利をもぎ取る。ただ、低い展開になると苦しくなり、ドライブ系で打ち抜かりたり、フェイントで崩されるとリズムが作れないことも・・・。
 このタイプの選手と対戦するときは、サービスから徹底的に攻め、得意のラリーに持ち込まれないこと。
 ラリータイプの選手は練習の時から心肺機能を高めることが必要。また、フィジカル強化も命。ドライブ→全面クリア→全面カット交互→全面スマッシュ交互を各1分でラリーが 途切れないように基礎打ち。途切れた瞬間、横からすぐシャトルを出して続行。シャトルを拾ってサービスして・・・といった間も無しぐらいの徹底して強化する。

「スマッシュ&ネット」を中心としたノック練習
[後ろからのコントロール練習]練習者1:相手2で15分程度。練習者はクリア、カット(ドロップ)をランダムにミスをしないようにコートの四隅をねらう。 2側はすべて奥に返す。2側のミスが多いと練習にならないので気をつける。
[攻撃を加えたコントロール練習]練習者1:相手2で行うコントロール練習に攻撃(スマッシュ)を加える。練習者はクリア、カット(ドロップ)にスマッシュを加えて ランダムに打つ。最初はスマッシュに対しては前(ショートリターン)とかロングリターンとか決めておく。慣れて正確になってきたらフリーにする。

●3)低い展開が得意なダブルス型。
 数的には多くないが、時折低い展開が得意なダブルス的に要素が濃いタイプの人がいる。インドネシアのタウフィック・ヒダヤット選手は肩口の高さから 鋭いショットを放ち、スマッシュは長めのレシーブで返す。大きく動かないのであまりスタミナを消耗しないラリーを展開する。
 通常はこのタイプではなくても、風のある体育館やシャトルが飛びすぎるときなど、後ろをねらって打つとアウトになるリスクが増す。そんなときに 球を前に集めつつ、相手を前に詰めさせない、低いドライブで抜いて攻めるラリーが有効。
自分に合わない戦法でも、試合を勝ち抜くには備えておくと強力な武器になる。体力が尽きたとき、クリアーからドライブ作戦に切り替えてしのぐといった作戦も可能だ。
 練習法は、低い展開に慣れるとともに、ボディ回りの球さばき、フットワークなどを強化する。タイプが違うからと避けずに取り組んでおくこと。

ダブルス型の練習
[前・後なしのゲーム練習]練習者1:練習者1、シングルスコートでお互いのショートサービスラインより前とダブルスロングサービスラインより後ろなしで ゲーム練習を行う。低い展開での駆け引きとボディ回りの練習。運動量は少ないのでアップ代わりにやってもOKだが、意外に難しい。
[攻撃を加えたコントロール練習]練習者1:相手2でランダムにドライブを打ち合う。ゆっくりとしてストローク練習ではないので、 全員がシャトルを浮かさないように低く低く意識して打ち合う。十位の試合の展開の中で必ず出てくるので対応できるようにしておこう。

▽(1)攻撃タイプに戻る
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