★シングルスのサービスを考える(1)
 現代のバドミントンでは、男子シングルスはバックハンドからのショートサービスが主流。女子シングルスは、フォアハンドからのロングサービス主体だ。
ただ、トップレベルになると、女子でもバックハンドやフォアハンドのショートサービスも見受けられる。
 バックハンド、フォアハンドどちらがよいというのはないし、また、ショートサービスとロングサービスどちらを使うのかも、特に正解はない。
打ち方にしても、サービスの長さにしても、両方を状況によって使い分けるのがベストだ。
 バドミントンが対人競技だということを考えると、普段からショートを使っているから、誰に対してもショートを打つといった考え方は要注意!。
相手と自分の特徴や状況を踏まえてプレーすることが大事。"なんとなく"の選択は避けよう。

(基本)サービス時から駆け引きを使おう
 サービス全般で意識するのは、相手の先入観を利用することだ。普段バックハンドのショートサービスを打つ選手が、 突然フォアハンドで構えたら、相手はどう思うだろうか。{ロングがくる}と思って後ろを警戒するはず。途中でショートに切り替えると、 相手の反応を遅らせたり、ノータッチで決まる場合もある。
 試合中は、相手の先入観を逆手に取って駆け引きを続けることで、相手に"やりにくい"印象を与え、判断を迷わせることができる。
サービスをただの1球目で終わらせず、相手の体勢を崩す、タイミングを外すことを考えて打つようにしよう。
(ただし、サービス動作を戻すなどしてフォルトにならないように注意)


(考察1) サービスの技術向上のカギはサービスレシーブの質
 男子がショートを打つ理由を考えると、全体的にスマッシュが速くなっているので、初球から打たせたくない。また、ショートに対して、 相手がサービスプッシュやドライブなどで、そこまで仕掛けてこないことなどが挙げられる。
 女子がロングサービスを選択するのは、レシーバーに近距離で高い技術をいきなり使われるよりも、後ろに下げた方が対応しやすい考えがあるからだ。
スマッシュやドリブンクリアーなど、パワーでガンガン仕掛ける選手が増えれば、女子もショートが多くなるのでは・・・。
 見方を変えて、「サービスレシーブの質が上がれば、サービスまわり全体のレベルが上がる」ことから、サービスレシーブの駆け引きを もっと考えることを意識しよう。
 特にダブルスでは、レシーバーがサービスに対して強いプッシュを積極的にねらってくれば、サーバーは自然と「サービスを浮かせられない」 と緊張するし、タイミングを外したりロングを使うなど駆け引きを考えるはず。しかし、サービスレシーブが単調で弱い球で返すだけなら。 サーバーの質は上がらず、3球目の処理の意識も低いままになってしまう。[3球目の処理については別項目で解説しているので参考に]
 そうなると、結果的に緊張感のない展開になるので、レシーバーの対応によってサーバーの質が上がるので、 普段からサービスまわりの意識を高く持っておこう。


(考察2) ショートサービスのねらい
 シングルでショートサービスを打つ目的は、相手にネットより下でラケットを振らせること。
相手に守備的なショットを打たせる方が心理的に楽。ショートの質がよければ、相手の対応をロブ、ヘアピン、ドライブなどに制限でき、 3球目を高い打点で対応できる機会が増える。
 ただ、相手のレベルが高くなると、レシーブのタイミングに変化をつけてくる。相手の反応が速い時は、ショートに限らず、 ロングサービスを打って相手の立ち位置を下げたり、打ち方に変化をつけてタイミングを外すねらいに切り替えよう。


(考察3) ロングサービスのねらい
 ロングサービスは、相手をバックバウンダリーライン付近まで下げることで、強打されても距離的に怖さを感じにくくする効果がある。
高く打ち上げれば、次の準備をする時間が確保できるので、女子ではフォアハンドでのロングハイサービスか多用される。
 男子でも、ディフェンスに自信があればショートにこだわらず、フォアのロングを軸としたサービスにしても良いのでは・・・。 ロングサービスの後に準備ができていれば、相手もそう簡単に攻められないし、スマッシュを打たれても距離が遠いのでレシーブしやすい面がある。
 注意点は、低い軌道にならないこと。 中途半端な高さのロングは、レシーバーにとってスマッシュが打ちやすくなってしまう。 一方、サーバーも次の準備をする前に攻撃されるため、不利な状況からラリーがスタートしてしまう。ロングは高い軌道から落ちるように打とう。
(^_^)
次回は(2)「シングルスのサービスのコースや作戦」に続く
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