勝つための"カギ"★ダブルスのサービス論(1)
あらゆるショットの中で唯一、止まって打つことができるサービス。サービスのルールが変更後、世界のトップランナーの中で様々な変化がおきている。
今回、最新の傾向を踏まえたダブルスのサービスの重要性や極意を、世界で活躍後、代表やジュニアのコーチをしている早川賢一、高橋礼華のサービス論を紹介。
上達のヒントをつかもう!
●男子ダブルス(早川賢一の考え)
男子ダブルスは、サービスまわりから いかに攻撃に持っていけるかが勝負。
ルール改定後は、サービスから仕掛ける重要度が高まっている。
一度、上げてしまえば、そこから攻撃に展開する力がないと勝つことが難しくなるので、男子のダブルスにとってサービスまわりは非常に重要な部分だ。
東京五輪で金メダルを取った台湾の王齊麟/李洋ペアはサービスが上手く、サービスから3球目を沈めていた。そのため攻めている時間が長く、その中で打ち切る力があったので
優勝できたと思う。
当初は背の高い選手は不利だと物議を醸していたサービスのルール変更だったが、その後の傾向を見ると、男子ダブルスはスピンサービスとピンサービスを打つ選手が
増えてきた。これまでバドミントンはレシーバーが有利とされていたが、ルール変更にともない攻撃的なサービスで仕掛けやすくなった感がある。
スピンサービスは、シャトルを打つ際にラケット面をコルクに真っ直ぐに当てるのではなく、コルクを切るようなイメージで縦回転を与えるサービス、ピンサービスは、
コート奥をねらう低く速い軌道のサービスをいう。
前者は、シャトルに回転がかかるため軌道が不規則になる。それを叩きにいくとネットにかけたり、ドライブで返そうとするとサイドアウトになりやすい。
後者のピンサービスは、アバブ・ザ・ハンドのフォルトが無くなったので、ラケットを横向きにできるので打ちやすくなったことにある。背が高くない選手ほど、そのあたりを
うまく活用している印象だ。
●日本選手も今後は対応を!
ジュニアでは、サービス一本で決まればラリーにならないので、進んで使わせる指導者は少ないかもしれない。というのも、世界のサービスの変化に対して
日本はまだ対応し切れていない部分があるように感じる。正々堂々と勝負するという美学からは外れるような印象があるため、チャレンジする選手が少ないのかもしれないが、
将来禍根を残すことがないように対応していく必要があるのでは...。
もちろん、基本となるショートサービスからの展開を磨くことが大事なのはもとより。
サービスのすべてをスピンサービスやピンサービスを打つのはよくないのは言うまでもなく、要所で使うのが重要。例えば、18オールとか、20−18とか相手も緊張している
場面で打つ。それが相手の脳裏に残れば、前に突っ込んでくるのも防ぐことができる。
スピンサービスの対処法としては、ヘアピン勝負が基本。ドライブやプッシュは難しいので、ヘアピン以外ではロブで対応。ただ、ロブは守りから始まってしまうので
できればヘアピンがいいのでは。
●[極意1] 3球目をイメージし、打つ前にパートナーにコースを伝える!
サービスから3球目で優位に立つためには、サービスの質とともに3球目にどうつなげるかを考えておく。相手からの返球を予測するにも、相手をよく見てクセを見抜く
ことを大事にしよう。打つコースは事前にパートナーに伝えておく。サービスまわりは展開が速いので、少しでも早くさわったり、パートナーのフォローに入れるようにしておくことが
重要。サービスのコースを1番2番3番などと決めておき、構えるときに腕を後ろに回して指の本数で伝えるなどすればよい。
(^_^)レベルが上がれば、サービス後の自分の動く位置まで指で伝える選手もいるようだ・・・。
次回は(2)「男子ダブルス[極意]の続き、具体例」へ続く。