★スマッシュ強化のメソッド
試合が出来るようになったけれど、なかなか勝てない...少しレベルが上の人が相手だといつも負けてしまう。「いい勝負がしたい」「勝ちたい」と向上心を持っている人に
元トナミ運輸で活躍し、現在龍谷大学でコーチをしている武下利一氏の"スマッシュ強化のメソッド"を紹介してもらおう。
○スマッシュ力を高めるために必要なこと
理想のスマッシュは、相手に触らせずに一発で決めてしまうこと。しかし、実際の試合ではそう簡単に決まるものではない。
となると、多くの選手は次のプレーを
考えてスマッシュを打っているハズ。(シングルスメインだった武下選手の場合は)試合でスマッシュを打つときはコースと角度を重視していた。コースというのは、
左右のサイドラインをしっかり狙うこと。角度は、相手にレシーブされても、なるべく体の下からスイングさせて甘い返球を誘うこと。全力で打ち込むことはそんなに多くない...
ハーフ付近に上がった球なら決め球として強打するが、相手のロブやクリアーがコート奥まできたら全力ではなく、次のプレーで点を取るためのスマッシュに目的を
切り替えていた。相手のレベルが高くなれば、それだスマッシュは決まりにくくなるし、また、どんなに速いスマッシュが打てても、それ一辺倒では疲れてしまい、
他のプレーに影響を及ぼしてしまう。
だからこそ、スマッシュを打つときは、パワー、コース、角度を細かくコントロールすることが必要だ。
ここでは、シンプルだが、コツコツと練習を積めば確実にレベルアップする内容を紹介、基本を大事に頑張ろう！
○シングルスとダブルスのスマッシュの違い
シングルスでもダブルスでも、空いているスペースに角度をつけたスマッシュを打つというのは共通だ。ただし、シングルスの場合は、コースをしっかり狙わないと
相手にカウンター(レシーブ)を打たれて攻守が逆転してしまう。特に相手ボディ付近に打つと、スマッシュを打った地点から遠い場所に返球されると、それを追いかけるのに
体力を消耗することになる。相手は特に何もしていないのに、自分だけが走らされて負けてしまうケースはよくあること。
左右の打ち分けや空きスペースをねらう意識を常に持っておくことが大事だ。
角度をつけたスマッシュは、一発で決めきる以外にも自分の攻撃を継続するという目的がある。例えば、シングルスの代表的な攻撃のスマッシュ＆プッシュ(ネット)。
スマッシュ後、素早く前に詰めてプッシュで決める王道のパターンには、プッシュを誘うための鋭角なスマッシュが必要だ。男子ではジャンプスマッシュを積極的に
取り入れても良いが、体が不安定だとミスの原因になるので、体幹を鍛えたり、ジャンプするタイミングを練習でつかんでおくことが重要だ。
ダブルスのスマッシュは、シングルスに比べて狙えるスペースが狭く、基本的に相手のボディまわりでレシーブされてしまう。返ってくる球もシングルスより
速いので、スマッシュ後は素早く体勢を整える、そして連続で攻撃を仕掛ける意識の高さがより求められる。
連続でスマッシュを打つには、コンパクトなスイングや跳びついてスマッシュする練習が大切。速いテンポで何度も打てるように練習しておこう。
また、ダブルスは自分のスマッシュで決める以外にも、前衛に決めてもらう戦術がある。後衛を得意とする選手は、自分が決めなければならないと
思って強く、速いスマッシュにこだわるが、実際はそれほどバンバンと決めるシーンが多いわけではない。状況によって、全力のスマッシュ、角度のあるスマッシュ、
ハーフスマッシュなどを使い分けながらワンランク上を目指していこう。
○スマッシュ力は高い打点を意識する
スマッシュのミスの原因は、フォームの崩れや打点が安定しないことが多い。そこで高い打点と正確にスマッシュを打つことを確認してみよう。
【フォームの確認】
注意点：打点は顔の前、そのためにはシャトルの落下地点に素早く移動する
【正確にスマッシュを打つ】
素早く動いて高い打点で打つ。ライン際に目標物を置いて練習する。
注意点：スマッシュは振り切る、ラケットを押し出すのはＮＧ
(^_^)
他の「スマッシュ考」と「ジャンプ時の身体バランス考」も参考に・・・。