★後衛のための技術・戦術[1]
   ゲームコントロールできる後衛に!![川前直樹NTT東日本コーチ]


(1)後衛の理想の攻撃は「チャンスを作る」
 ダブルスの後衛は、豪快なジャンプスマッシュが"花形"のイメージがある。パワーがあって、強いスマッシュ打てる方が試合で有利なことは間違いないが、 実際の試合で拮抗した勝負や格上との対戦では、そう簡単にスマッシュは決まらないもの。どちらかというと前衛を抜けてきた球をカバーする 地道なプレーを要求される場合が多い。つまり、後衛に関して言えば「一発で決める」よりは「チャンスを作る」選手が理想だ。
 最近はレシーブ力が向上し、スマッシュが一発で決まらない、ドライブやつなぎ球などがラリーのポイントになることが多く、 相手に上げさせる技術や、ネットに近い前衛に決めさせる技術を持った後衛の方が、安定した戦績を残せるのではないか。

→特に、後衛は前衛と相手ペアの3人が見えるので司令塔の役割ができる。つまり、後衛のショットの選択によって試合展開を動かせるのである。
また、後衛が簡単にクリアを上げてしまうと、守備の機会が増えてしまうので、攻撃を続けるためには後衛が相手のレシーブやドライブをしっかり 処理する力が必要になる。
(2)後衛の戦術を生かす3つの要素
 後衛の能力として高めておきたいことは、「カバー力」「空間把握能力」「強い球」の3つ。
→「カバー力」は、左右に振られたり、前述のように前衛が止められなかった球を処理したりと、パワー以外にもフットワークやスピードを高めていこう。 (光南の練習[プッシュレシーブの練習(後衛)]を参考に)
→「空間把握能力」は、後衛からゲームコントロールをするために必要な能力。これは、シャトルに向かって動くとき、相手ペアと前衛のポジションを 頭でイメージしながら打つようにすること。相手の裏をかくショットやタイミングを外したショットなどを打つことができ、ダブルスの戦術の幅を広げることができる。
→「強い球」は、ダブルスで勝つための大事な要素。ドライブが多い場面でも押し負けない力が求められる。同時に、強い球を打たせない技術も身につけよう。 低い展開でも角度をつけたショット、緩急をうまく使えばラリーの主導権を握ることができる。

(3)後衛でチャンスメーク[自分で仕留める]
 2:1でコートに入る。2側はレシーブ、1側がアタック。練習の目的は1側の後衛からのチャンスメークから自分で決めきること。 2側からのドライブとハーフ球を1側が様々な球種で返球しながら、チャンス球が上がったらフルスマッシュで決めきる。
→2のレシーブ側もかなりのレベルが要求される。1側が崩してきたら球を上げてスマッシュを打たせる。

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