§2.メンタルを強くするポイント
●権藤公平:いいプレーができたときに、なぜうまくいったのかを考える
自分が社会人2・3年目までは、トナミ運輸という強豪チームにいたことから、負けてはダメだとか、早く日本代表に入らなければと言う思いが強く、
プレッシャーになっていたが、混合複で準優勝した16年の全日本総合では、勝ち負けではなくて練習した成果を出すことを第一に考えていた。
そのことが結果につながったことで、その後は緊張して試合で何もできないということはなくなった。
「なんでビビリながら試合をしなければ行けないんだろう」という気持ちが自分の意識を変えたと思う。試合をしていても楽しくない、だから、「力一杯練習して
きたことをやろう」それだけを考えていた。
大学の心理学の先生の「いいプレーができたときに、なぜ良かったのかを考える」という言葉も印象に残っている。試合後に悪かったところを
ことも振り返る人は多いと思うけれど、調子がいい時って特に考えていなくても上手くできているハズ。その無意識の部分をあえて考えることで、調子が悪い時でも
いいイメージを重ねられるようにしている。
1本ミスしたら「なんでこんなミスをしたのだろう」と考えてしまい、悪循環になっていたのが、メンタルを少しでもコントロールできるようになって、
調子が悪くても悪いなりのプレーができるようになり、波が少なくなったと思う。
●小野菜保:結果を求めることをやめて、力を出し切ることを考える
団体戦の勝負所で回ってきたり、個人戦でもコートに入ったりしたときに緊張しして、"負けたらどうしよう"という気持ちが強くなってしまう。
今まで練習してきたことを出そうという気持ちより先に結果を求めてしまう、自分はメンタルが弱いと自覚している。
そんな中で「心が強い人のシンプルな法則」(きずな出版)という本を読んだ時に、本に書かれていた"メンタルが弱い人の特徴"が、
まさに自分に当てはまっていたのに気づかされた。
第三者からの見え方を気にする、周りから言われたことを100%受け止めてしまうことなどが指摘されていた。まさに自分がそうで、相手からこう思われるのではないか
と想定して動いていて、それが「負けたらどうしよう」につながっていたのかもしれない。」。
今は、結果を求めることを一度やめて、自分のできることをやることにしている。その結果として負けたのであれば仕方ない、
と割り切るようにしている。チームの先輩やスタッフにいろいろ意見を聞く中で、自分の中で響いたのは「勝ち負けとかいいから楽しもう」と言ってもらえたことだ・・・。
●大家夏稀:練習と生活の中でいかに意識できるか
今年に入って気持ちを強くすることを意識的に取り組むようにしている。
その一つが「練習との向き合い方」。練習と聞くと、試合で勝つために必要な技術や体力を高めることに目が行きがちだ。けれども実際にはメンタルを鍛えることも
含まれているので、練習を頑張れば自信となり、試合の大事な場面でで発揮される。
そして、その自信を大きくするのが一日一日の練習を悔いなくやりきること。「毎日の積み重ね」とよく言われるが、実際に高い意識で日々の練習に取り組んでいる選手は
メンタルが強くなる。
また、練習以外の時に、長い時間ではなくても、生活の中でバドミントンの時間を取り入れることで意識やメンタルを変えるきっかけもあるハズ。
試合動画を見たり、攻撃シーンを集めたものを見たり、長いラリーのシーンを見たり、勉強の合間にちょっと息抜きしてもいいかも[この行は大家選手の言葉ではありません]・・・。
メンタルが強くならない選手は途中であきらめることが多い。自分で決めたことを簡単にあきらめると、試合で勝つための自信につながらない。
最初は上手くできなくても大丈夫。「コレができればレベルアップするぞ!」とプラス思考で毎日の練習に取り組もう。
(^O^)試合は、日常にはない緊張(スリル)を味わえるので、勝ち負けだけではなく勝負を楽しむという視点ももってバドミントンの魅力を感じよう!