☆ケガをしにくい体づくり[腰痛編]-予防-
 腰痛といっても、その痛みの原因は腰痛椎間板ヘルニア、椎間関節の損傷、仙腸関節炎、筋・筋膜性腰痛(ぎっくり腰)などさまざまだ。 身体を反る運動を繰り返すバドミントンでは、今は特に痛みを感じていなくても、腰やその周辺の筋肉、関節の動きが悪いままプレーを続けることで、 痛みが発症する可能性が大きくなる。
 社会人やシニア層に多いイメージの腰痛だが、中高生の若い世代でも発症する。これは、発育過程の問題で、椎間関節など骨格が安定しない状態での過度の負担によって 生じる腰椎分離症やすべり症は、中高生の男子選手に多く見られるそうだ。
 予防トレーニングは、筋力を高める筋トレとは違い、身体のバランス整えたり、動きをよくすることが目的だ。若年から大人までできるので、どの世代でも 取り組んでいこう。

可動性(柔軟性)を高める筋膜リリース
[筋膜リリースを取り入れよう!]
 筋膜 Fascia とは、コラーゲンやエラスチンなどからなる結合組織で、筋肉を覆っているだけではなく、骨や内臓、神経など全身をくまなく覆って連結していることから、 「第二の骨格」とも言われている。この筋膜は、筋肉を保護するだけではなく、筋肉が収縮するときの滑りをよくする働きもあり、体の動きもよくなる。
 逆に、筋膜の滑らかさが低下すると、体の柔軟性の低下につながる。
 長時間同じ姿勢をとり続けることや、体の左右バランスが崩れることケガなどで体の一部に負担がかかるなど、アンバランスな体勢や状態が続くと筋膜の動きが悪くなる。
筋膜の滑りが低下すると、柔軟性、運動時のパフォーマンス、日常生活の動きの低下につながるため、正しい動きに戻すのが筋肉リリース
柔軟性の改善はもとより、疲労回復、筋肉痛の低減効果が報告されている。
 筋膜リリースの方法は、押圧刺激と振動刺激が基本手技となる。セルフで実施できる方法を次に紹介しておく。
[筋膜リリースをやつてみよう!]
・フォームローラーの上に太ももや背中を乗せて、前後、左右に動く
 太もも裏(ハムストリングス)、太もも前・横(側面)は内転筋、腸頸靱帯、背中を乗せて姿勢をキープ・上下する。
 筋膜を動かすのが目的なので、フォームローラーの上をただ転がすのではなく、皮膚をひっかけるイメージでと紹介されている。ストレッチボールなどでも代用できる。 痛みのある人は、無理をせず、体勢を変えて痛みのない状態で取り組むこと。

腰の安定性を作るための"事前準備"
[ドローインとブレーシングを取り入れよう!] 。
 体幹トレーニングや一般的なトレーニングの前に、取り入れてほしいのがドローインとブレーシング。ドローインとブレーシングは、呼吸で体幹を安定させる(固める) ことを目的とした準備運動のようなもので、体幹トレーニングの基本動作となる。
 ドローインは息を吐きながら腹をへこませるような形で、ブレーシングは腹を膨らませて腹圧を高める。専門的には「腹腔内圧を高める」と言われている。 どちらも、腹横筋などの体幹を囲む筋肉の活動を高め、体幹を安定させるためのエクササイズだ。"安定させる"というのは、呼吸によって体幹部分に腰用の サポーターベルトやコルセットが巻かれている状態をイメージするとわかりやすい。体幹が崩れなくなることで、トレーニングの効果を正しく得ることができる。

 実際にやってみるには、仰向けの状態で、ヒザを立てて、鼻や口でゆっくり息を吸う。
 ドローインは、ゆっくり息を吐き切り、腹を凹ませた状態で30秒ほど自然呼吸する。ブレーシングはゆっくり息を吸い、腹を膨らませ腹圧を高めた状態で30秒ほど自然呼吸する。。
 両方とも体幹安定のためのエクスサイズだが、ドローインは腹横筋の収縮、とブレーシングは腹横筋に加え、外腹斜筋や内腹斜筋などにも刺激が加わるとされており、 より効果が期待されている。最初の呼吸時に、腰と床に隙間を作らないように、腰で床を押すように。手や脚はリラックスさせることが重要

▽腰痛の予防-3-に続く

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