●腰痛予防のキーワードは理想的な「可動性」「安定性」
バドミントンで起こる腰の痛みは[CHECK 1] のように胸郭と股関節との連携不足が要因の一つだ。単純に腰を鍛えれば腰痛が予防できるわけではなく、
「腰だけが頑張る状況を減らす」ことが高い予防効果となる。
腰につながる胸郭は、心臓や肺をかごのように守っている肋骨の部分を指すが、バドミントンの動きでは胸郭が伸びたり縮んだりする。胸郭が硬いと体を丸めたり、
反ったりする可動範囲が小さくなる。遠くのシャトルをさわろうとすると大きな可動範囲が求められ、強く飛ばそうとすると身体のしなりが必要だ。
この胸郭が使えないと、飛距離が出ない上に、腰だけの動きに頼った運動になる。ラウンド側の対応は、特に大きく体を反ることが多いので腰の負担が大きくなってしまう。
また、ここでは股関節も絡んでくる。股関節は骨盤と連結しており、股関節が硬いと骨盤がうまく機能しないということは、胸郭と同様に腰だけが頑張って動く状況となり、
ストレスがどんどん蓄積される。
股関節の硬さはラウンド側の動作以外にも、ネット前々でのヘアピンやロブを打つ姿勢にも影響が出てくるので、柔軟性を高めて腰の負担を減らすことが必要だ。
考え方としては、「動かなさ過ぎる」ところは動くように(可動性)、「動き過ぎる」ところは固めるように(安定性)エクスサイズすることだ。
体幹が使える状態に整える
現在では、体幹トレーニングという言葉は広く浸透しているので、部活の一環として取り組む機会も多いはずだが、大学などでの同好会や社会人などては機会が減って
くるだろう。しかし、前述のように、体幹(胸郭や腹筋周り、股関節までの範囲)は大事で、手足の動き出しには体幹の固定(体幹筋の収縮)が必要だ。
▽腰痛の予防-2-に続く