実戦ルール(88)ラリー中に選手が人と接触した時の判定、主審のあなたはどうする?
 通常、公式な試合の競技会場と線審の配置は、大会運営規程第3章の12条で、 「競技区域は、コートの外側四周にそれぞれ2m以上の余裕がなければならない。1会場に2面以上の コートを設ける場合でも、隣接するコートとの間隔は2m以上とする。」
もし、隣接する競技区域との間隔が2m以上確保できない場合は、プレーに支障なく行われるように運営する。(解説2)
 また、線審の位置は、公認審判員規程 第6条第1項で、
「原則として線審の配置はコートの境界線から2.5mから3mのところで、どんな位置のときも、外部からいかなる 影響(例えばカメラマン)も受けないところが望ましい。また、線審は1本のラインを判定することが望ましい。
 これらの2つの条項にしたがってマッチが運営されている限り、線審は適切な位置に配置されているわけで、 今回のケースのような場合でレットになることはないと思われる。
ただし競技会場の都合で線審がコートに極めて近い位置にいたり、線審が所定の位置についていないでプレーヤーの プレーを邪魔した際はレットとなる場合もある。ただし、この判定に関しては競技役員長(レフェリー)の判断が必要である。

 このように細かく規定されているが、学校の体育館などでコートの間が狭く、規定通りになっていない場合もある。
 今回の状況は、(1)試合と関係ない人が、コート内に侵入してきて、シャトルを追って後ろに下がった選手とぶつかり、 シャトルを打つことができずにラリーが途切れた場合、
(2)シャトルを追って下がってきた選手が、コートをはみ出して 線審の足を踏み、体勢を大きく崩してしまい、すぐに戻れなかった選手は、相手に次のショットで決められてしまった。の2点。
 結論は、(1)試合と関係ない人が、コート内に侵入してきた場合、"不測の事態"として「レット」をコールする。[競技規則第14条第2項(7)]
 仮に、選手と接触しなくても、試合と関係ない人がコート内に侵入し、選手に危険性があると判断した場合は、すぐにレットをコールするのが 正しい対応だ。
 (2)シャトルを追って下がってきた選手が、コートをはみ出して選手が線審と接触しても、主審は「レット」をコールせず、 そのままプレーを継続させる判断が正しい。
 ただ、線審が何らかの理由でコート内に入り、選手と衝突した場合はレットの対象となる。 また、選手が勢い余ってコートの外に出てぶつかったのは選手側の責任となるので、コーチ席の人とぶつかった場合も、 同じ理由でレットにはならない。
  (~_~)主審は、選手と線審が衝突するようなアクシデントを起こさないためにも、試合前に線審の位置や コーチ席のイスの配置もチェックしておこう。

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