実戦ルール(86)選手が汗をコート内にまき散らした時の対応は?

 公認審判員規程第5条 審判への指示事項 第9項(1)E「プレーヤーが汗をかき、その汗を払い、散らしたりした場合、
またはそれ以外の行為でコートやその周辺を汚している場合、主審はプレーヤーに対して、そのような行為を決して容認できるものではないことを 留意させなければならない。
必要ならば競技規則第16条第7項にそって適切に対処する。」とある。

 試合中の汗拭きの対応については、公認審判員規程第5条 第10項(3)で、選手が不当に試合を中断しない範囲内であれば、 主審の判断でタオルの使用や給水、または素早いタオルの使用が認められており、選手は主審にタオルの使用を要求できる。
 主審は選手の状態や汗の量などを確認して、必要であれば許可を出す。
汗を拭く必要がないと判断した場合は、 「プレーを続けて下さい」と伝えて試合を再開させる。

 今回の例では、選手から最初にあった汗拭きの要求には許可しているが、2回目の要求には許可を出さず、ウェアで拭くように指示している。
主審は、あえて「ウェアで拭いてください」と伝える必要はなく、選手は手の汗が気になればウェアなどで拭くはず。
 また、汗を拭くためのタオルの使用や給水は主審の許可を必要とするが、試合の流れを中断しない限りであれば、 主審の許可がなくても素早いタオルの使用は可能である。[公認審判員規程第5条 第10項(3)@]
 この「素早い」という表現は人によって受け取り方は違うが、次のサービスが始まる前に、さっと汗を拭く程度なら 問題ないとされる。
今回の例の2回目は、素早くコート内に戻れるのであれば、主審に許可を取らなくても良かったケースだといえる。

 次に、「汗をまき散らす行為」では、手の汗をコート内にまき散らしたのは"不品行な振る舞い"になる。
さらにこの後、汗をモップや 足で拭く時間を取ったりすると"遅延行為"となる。
コート内に故意に汗を散らした時点で、主審はすぐに選手を呼んでイエローカード、もしくはレッドカードを宣告する。
 以前(数年前)までは、手で拭った汗をコート外にパッと飛ばす行為が頻繁に見られた。
当時はこの行為に対する規定がなかったが、 公認審判員規程第5条 第9項(1)Eが追加された。
(@_@)汗を拭うのではないが、ギリギリのシャトルを故意に飛び込んで、その後に汗拭きのモップを要求するケースについては、 判断に迷うこともある。
試合の流れや選手の行動をみて総合的に判断し、遅延行為に関しては状況に応じて対応することになる。

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