結論から言うと、シャトルをＢが二度ともＡから離れた場所に返している。これはどちらも明らかなマナー違反だ。
実際の試合でもこれに近い状況を目にすることがある。こういった不品行な振る舞いを確認したときは、主審は毅然とした態度で 対応しなければならない。
　シャトルを故意に離れた場所に打つのはマナー違反と同時に、先に示した競技規則第16条　第6項(1)に抵触し、遅延行為と判断する ことができる。
そして、この行為に対しては、競技規則第16条第7項の「違反に対する処置」が適用され、警告やフォルトの対象となる。

　今回のケースを考えてみると、本来であれば最初の時点で一度注意すべきで、Ｂを呼び寄せ、
「シャトルを丁寧に返しなさい」(審判用語3･3･7)と注意する。
　一回目に注意をしていれば、二回目に遠くに打ち返した時点で、再度呼び寄せたＢに対して 第16条第7項にそって警告(イエローカード)とする。
その後Ｂが同様の行為をしたならばフォルト(レッドカード)を宣し、直ちにレフェリー(県大会の場合は競技委員長)に報告する。

　主審はいかなるプレーの遅延についても、それを判断・処置する唯一の決定者である」(競技規則第16条第4項(2))
とされている。試合中によくみられる遅延行為には、サーバーが体勢を整えているのに、レシーバーが下を向いてなかなか頭を上げない、 ラケットのストリングの目を整える時間が長かったりもある。この場合も、主審は同様の対応をとる。

(~_~)その他、シャトルの返球に関しては、シャトルを床に向かって叩きつけるように返したり、相手選手に わざと強く打って返すなどがある。
　その場合も第16条第6項(3) 相手に対して下品で無礼あるいは不適切な態度、や、同項(4)競技規則を超えた不品行または不快な行為　も踏まえて、 主審はその時の状況に応じて、注意や警告、フォルトを宣する。