実戦ルール(70)コーチ席からのアドバイスへの対応について
競技規則・第16条 プレーの継続「第5項 (1)シャトルがインプレーではないときに限り、プレーヤーはマッチ中、アドバイスを受けることができる。
コーチ席に座る人が選手にアドバイスすることは、競技規則で認められている。
マッチ(試合)中にアドバイスを受けるタイミングは、「シャトルがインプレーではないときに限り」とあるので、ラリーが途切れてからサービス(またはレシーブ)
のために構えるまでの間だ。今回の例では、最初に出てきた 相手からのシャトルがレシーブできなかった後、コーチ席に座っているコーチが
アドバイスをしているが、これは問題はない。
問題なのは、次に失点したラリーの後で、声をかけられたAがコーチ席の方へ近づきアドバイスを受けた点だ。これはやってはいけない行為になる。
これは 競技規則・第16条 第4項 フレーの遅延(1「プレーヤーはどんなことがあっても、体力や息切れを回復できるように、またはアドバイスを受けるために
プレーを遅らせてはならない」に該当する。
アドバイスを聞きに行った選手は、第16条 第7項による、不品行な振る舞いの対象になる。主審は、選手がコーチ席にアドバイスを聞きに行くようであれば、
それを制止して注意したり、従わない場合は不品行な振る舞いとして処置をする。
また、プレーが途切れたときに、コーチ席に近寄らなくても、コートの中で長い時間アドバイスを聞くことは遅延行為となるので 要注意だ。
ルール上、サービス(またはレシーブ)のために構えるまでの明確な時間が示されていないため、ラリー後のアドバイスがどれくらいで遅延行為になるかは、
その時の主審の裁量となる。選手はサービス(またはレシーブ)の準備をしながらアドバイスを聞き、うなずく程度の反応に留めよう。
アドバイスや応援に関するトラブルは、コーチ席に座るコーチや監督、団体戦のベンチに座る選手がルールを把握していない場合にも起こる。
大会などで時折、こうしたコーチや選手の言動や態度に対して、コーチ席やベンチに向かってイエローカードやレッドカードを提示する主審がいる。
ところが、この主審の対応は大きな間違い。イエローカードやレッドカードはあくまでも選手に対して使用するものだからだ。主審は選手に対して
カードを提示することはできるが、コーチ席やベンチにカードは出せない。
主審が注意しても直らない場合は、競技規則・第17条 審判員の責務と処置すべき訴え 第2項「主審は、そのマッチ、コートならびにその周辺の
直接関係するものを管理する。主審にはレフェリーへの報告の義務がある」にしたがい、レフェリーコールする。状況を説明して、対応はレフェリーに任せる。
コーチ席や団体戦ベンチ席の対応について、レフェリーが判断することは競技規則で決められているので、主審は選手のために、冷静に試合を進行させることに
徹しよう。
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