試合中には様々なトラブルが起こるが、選手のケガについては、擦り傷や足首を軽くひねるなど軽度なものから、シャトルが目に当たったり靱帯損傷やアキレス腱断裂など、
大きなケガまである。主審はこれらのアクシデントに冷静に対処しなければならない。
今回の例のように、足首を捻ったときの対応−−−。試合中、選手がケガをして動けなくなった場合、競技規則・第16条・第3項(1)「プレーヤーの責任でない状況によって
必要とされるならば、主審は必要と思われる間、プレーを中断することができる」によって、試合を一時中断して、選手の状態を確認する。
選手にプレーが続行できるかどうか聞いて、選手が「プレーできる」と言えば 今回のように試合を続行させる。 明らかにプレーができない状態で、選手から「続行できない」と申し出があれば
棄権として試合を終わらせる。
試合の続行、棄権の判断は選手自身に委ねられていることを確認しておこう。仮に痛みがひどそうで、コーチ席の人が「棄権させます」と言っても、ルール上は受け入れられない。
もちろん、主審が自分の判断で、勝手に棄権にすることもできない。
なかなか選手がプレーを続行しようとしないとき、主審は「大丈夫ですか?」「プレーを続行できますか?」と声を掛けるようにする。さらに、迷っているようなら医師(医療関係者)が必要か聞く。
必要としたときは 医師(医療関係者)にケガの程度の説明、試合が続行できそうかどうかのアドバイスを受けることができる。が、選手を棄権させることはできない。
また、競技役員長(レフェリー)の判断の上で出血や冷却スプレーなどの簡易的な処置は認められるが、医師がテーピングを巻いたり、過度な治療行為をすることは、相手選手との公平性からも行えない。
(~_~)ここでは主審の対応としての説明で、現実にケガをした選手が無理にプレーを再開しても、中断が繰り返されると”遅延行為”にもなるので、選手自身も適切な判断ができる
ようにしておかなければならない。
もしテーピングの要求があった時は60秒、120秒のインターバル時にするように伝える。インターバル時は選手やコーチがテーピングしてもよいが、それ以外のときは新たにテーピングを巻くことや
巻き直すことは認められないので毅然とした態度で進行しよう。