実戦ルール(64)ラリー中に選手に向かって声を発した時の対応は?
競技規則第13条 フォルト 第4項、インプレーで、
(5)大声や身振りなどの動作をして、故意に相手の注意をそらしたとき
ラリー中に選手が声を出すことは、ルールの範囲内であれば禁止されてはいない。
逆をつかれたAがペアのBに「頼む!」と声を掛け、Bも「OK!大きく返すよ」と応えている。これは別にルール違反にならない行為だ。
後半にある、サイドアウトしそうな球を相手Cが見送ろうとした時に、「入っているよ!」とAが大きな声を発したことについては、実際にシャトルの落下地点が
インであろうがアウトであろうが、フォルトである。
Aが「入っているよ!」とかけた時点で、主審は「故意に相手の注意をそらそうとしている」と判断。
すぐに「フォルト」とコールしなければならない。
今回の例にように、ラリーの後に主審が注意しているが、注意で終わらせている主審は 競技規則第16条 不品行な振る舞い(*参考)の項目にそって判定しているのかもしれない。
しかし、それは主にラリーが終わった後、選手が罵声を発したり、相手やまわりを挑発する態度・言動などがあった時に判定するもの。ラリー中であれば、
第13条第4項 (5)を適用するのが正しい判定だ。
主審が注意を払わなければならないので、シャトルのイン・アウトに関わらず、選手が故意に相手の注意をそらす言動・行動があった時に、「フォルト」をコール
すること。
すぐコールしないと、Aが声を発した後、シャトルが本当にコート内に入った時に「シャトルが入ったのになぜフォルト?」と抗議がくる可能性がある。
「イン・アウトには関係なく、注意をそらそうとした時点でフォルトです」と毅然と対応することが肝心だ。コールが遅れると"言った、言わない"のトラブルにもつながるので
要注意。
これ以外にも注意をそらす行為には、公認審判員規程・第3条・第9項(1)Cにはプレーヤーがシャトルを打とうとしているとき、または相手が
シャトルを打ち返した後に、「フォルト」などというのは、意図的に相手の注意をそらしているものとみなすとあり、「ストップ、ストップ!」とラリーを中断させようと
する声掛けもこの規程を適用する。
なお、最初に記したように、同規程・第3条・第9項(1)Bには、「プレーヤーがシャトルを打つ寸前のパートナーに対して声をかけるのは、必ずしも意図的に相手の注意をそらすものとはみなされない」とあり、フォルトの対象ではないので確認しておこう。
(~_~) (*参考)競技規則第16条 不品行な振る舞い 第6項(3)
見苦しい服装でプレーしたり、審判員や観客に対して横柄な振る舞いをしたりするような、下品で無礼あるいは不適切な態度、言動
とある。明確にして覚えておこう・・・