実戦ルール(58)線審がラインの判定が出来なかったときの対応は?
 競技規則第14条のレットの項目で、第2項(6)には「線審が判定できなくて、主審も判定できないとき」とある。
 線審がシャトルの落下地点を確認できず、イン・アウトの判定ができないケースはよくあること。この場合線審は主審に対して、両手で目を覆って"見えなかった"というジェスチャーをすることが、公認審判員規程・第6条・第5項に明記されている。これはテニスなど他のネット競技には見られないバドミントン特有のルールである。
 同規程・第6条・第2項には「線審は担当ラインについて全責任を持つ」と書かれており、体や顔を動かして可能な限り判定がしやすくなるように目視する。それでも選手の体や足が落下地点に被って判定が出来ないこともあり、その時は先ほどの目を覆うジェスチャーをすぐに行う。
 この時に避けたいのは、ライン近くの選手がアウトだと思って喜んだり、「アウト」と自分で叫んだりしたからと入って、安易にアウトの判定をしてしまうことだ。線審は選手や周囲の様子に惑わされずに、見えなかったのであれば毅然とした態度で"見えなかった"というジェスチャーをしないといけない。曖昧な気持ちのまま判定することの無いように・・・。
 主審は、線審同様にラインの判定をすることが公認審判員規程に書かれている。第3条・第8項(1)には「主審は、シャトルがライン近くに落ちたときは常に線審に注目しなければならない。また、ラインからどんなに遠く離れて落ちた場合でも同様である」とあり、すぐに線審の判定を確認する。ここで大事なのは、線審が誤った判定をすることも念頭に置き、主審も常にシャトルを目で追うことである。線審の判定が明らかに間違っていた場合、主審は「コレクション・イン(もしくはアウト)」と判定を訂正する必要がある。ラインの判定は線審の担当ではあるが、最終的な判定は主審の範疇にあるからだ。さまざまな状況に対応できるように準備をしておくことが必要だ。
 今回の例のように、線審も主審も落下地点が確認できなかった場合、線審が"見えなかった"というジェスチャーを出した時点で、主審はすぐに「レット」とコールする。次いでスコアをコールする。主審は選手から質問される前に素早くコールするように心がける。
---《 主審が判定できた場合 》------------
 また、線審の"見えなかった"というジェスチャーを出した後、主審がアウトの判定ができた場合には、すぐに「アウト」とコールし、「17-15」などポイントが反映されたスコア、または「サービスオーバー 17-15」のようにコールして試合を進めていく。
インの場合は、特に何も言わずにポイントが入った状態のスコア、または「サービスオーバー 17-15」などとコールする。【公認審判員規程・第3条・第8項(3)1.2.より】

(~_~)判定ができないことが頻発すれば、選手から不信感を抱かれるので、きもちよくプレーできるように線審・主審はラインの判定をしっかり行うようにしよう!

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