★ネット前でチャンスメークする!(シングルス編)
 なかなか試合に勝てない原因は、パワーやスピード、テクニックだけにあるわけではない。ちょっとした意識を徹底するだけでゲームを有利に進め、 プレーをワンランクアップすることも可能だ。
 バドミントンでは、よく「ネットを制する者はゲームを制す」と言われるが、ヘアピンやカットで勝負せよというわけではない。
シングルスで重要なのは「ネット前でいかに優位に立てるか」ということだ。いかに優位に立つか、実際にシャトルをどう打つかととか、どこに打つかといったこと だけに限らない。
 シャトルを打つまでに、相手の自分をどう見せるか、どう相手に考えさせるかで優位に立つことも可能だ。ネット前で相手を崩すことができれば、上から打つ攻めの ショットがより効くのではないだろうか。

[1] ネット前への入り方が大事
 相手の崩し方で、まずやることはネット前に入るときに、ラケット面をできるだけ立てて入ること。
実際にシャトルをどうとらえるかかに関わらず、自分がネット前に入るとき、ラケット面を立てている姿勢を相手に見せれば、相手はいくつものコースを張らざるを得ず、 足が止まる。つまり、ラリーの中で自分が優位に立って、相手を後手に回すことができるわけだ。
●ネット前でどうする?
 ラケット面を立ててネット前に入り、余裕がある状態なら、当然プッシュを打ってもよい。ただ、それほど余裕があるケースばかりではない。ラケットを立てて入った後に、 シャトルを捉える高さによって、面を寝かせてヘアピンを打つこともOKだ。
 逆に、ラケット面を寝かせて入り、そこから、ラケット面を立てるという動きはしづらく、慌ててミスにつながりやすい。これは避けなければならないプレーだ。
 プッシュを打てるケースを除けば、実際のネット前での選択肢は「落とす」、「突く」、「上げる」の3つが基本となる。これを相手にギリギリまで読ませずに 打ち分けられれば、相手の足を止め、先手が取りやすくなる。
 重要なのは、ネット前へ入る1歩目でラケットを立てること。動き始めの1歩めはラケット面が下のままで、2歩め、3歩めで ラケットを上げるのは、相手に対してのプレッシャーはかからない。同時に、自分の準備も遅れ気味で、ミスのリスクも高まる。
[2] ラケット面を立てて入れたときの選択肢
●「落とす」、「突く」、「上げる」の3つが基本
 ギリギリまで相手に読ませないように、直前まで同じフォームで打ち分けること。
「落とす」・・・スピードで攻める<突く>こともできる中で、ややシャトルを引きつけてワンテンポ遅らせてネット前に落とす。「落とす」と「突く」を使い分ける ことで、相手の足を止めることができる。注意点は、先にラケット面を寝かせにいくと、相手に読まれやすくなる。
「突く」・・・ネット前の高い位置でシャトルをとらえられる時には、スピードを生かして相手コートのハーフから奥へ鋭く返球。面を 振ってしまうと「打ってしまう」ことになり、飛びすぎることもあるので要注意。 ラケットヘッドを動かすコンパクトな振りでシャトルを突こう。
「上げる」・・・「落とす」ときのようにシャトルを引きつけ、そこからシャトルを上げるようにラケットを振る。相手が「落とす」と読んでネット前に詰めようとして いるときに、読みを外してパッと上げられると効果的だ。シャトルの下に体を入れるため、ランジ姿勢をしっかり取る意識で打つのがポイントとなる。
[3] ラケット面を寝かせて対応せざるを得ないときの選択肢
 「ネット前に入るときにはラケット面を立てて入る」。ただ、実際には、相手のネット前への返球が速かったり、自分が前に詰めるスピードが追いつかなかったりすると、 ネット前の高い位置でシャトルをとらえることができず、ラケット面を寝かせて打たないといけない場合もある。
●「ヘアピンとロブを打てる状態からヘアピンを打つ」・・・もっともベーシックななのがヘアピンでの返球。ただ、このパターンしかなければ、相手は間違いなく ネット前に入ってくる。この高さでもロブを混ぜることによって、相手を迷わせることができるので、両方打てるように練習しておこう。
「ヘアピンとロブを打てる状態からロブを打つ」・・・ギリギリまでヘアピンを打てる面をキープしておいて、そこから素早く面を落としてシャトルを打ち上げる。
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ネットで「チャンスを逃がさない」選択を意識する
 例えば、相手からのストレートスマッシュをクロスレシーブでかわしたとする。相手をクロスに走らせて、"仕掛け"ができたわけだ。相手は長い距離を動かされ、 自分は十分な準備ができていて大きなチャンス。このようなときに、ネット前で安易にロブを選択して、自らチャンスを手放してしまうようなことのないようにしよう!

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