[考察1] シャトルとの理想的な距離を覚える
シャトルが打ちやすいと思う距離感は 身長の高さ、腕のリーチ、フットワークの速さなどによって異なってくる。「このポイントで打て!」という正解がなく、理想の
距離感は自分の感覚でつかまなくてはならない。
しかし、"多くの人に共通する"打ちやすさ・打ちにくさ"を感じる姿勢はある。例えば、ヒジやヒザが伸びきってしまう姿勢は理想の距離感とはいえない。ネット前に
入る姿勢でヒジが伸びきったままでは、ヘアピンを打つことはできても、コート奥に返すロブは打ちにくい。余裕がある姿勢で入れば、ロブの強弱やクロスヘアピンなど
プレーの幅が広がるのは明らかだ。
[考察2] 距離を縮めるために必要なこと
シャトルを体に寄せるためには、フットワークのスピードを上げたり、動く距離を10p、20pと長くする。当然 運動量は増えるので、そのための
フットワーク練習やフィジカル強化をする必要性が出てくる。
「結局はフットワークか・・・」となるわけだが、勝っていくためには、やはりフットワークを地味に繰り返すことが求められる。
[考察3]シャトルに体を近づけることがフェイント効果につながる
対人競技であるバドミントンであるからこそ、シャトルを体に寄せることが相手の先読みを防いだり、予測を外したりできる。
ラリー中に追い込まれる要因の一つに、自分の反応や動き出しの遅れがある。シャトルから離れた位置でラケットを振ることになり、自分が打てるショットや
コースが限定されてしまう。相手側から見れば「あの体勢、あの位置から打てば、きっとここに返ってくるはずだ」と予測しやすくなる。
逆に、シャトルに体を寄せたり、シャトルの下に余裕を持って入ったりすれば、相手の予測は一つ二つに絞れなくなる。つまり、体を寄せるメリットは
自分だけではなく、相手にも影響を与えることになる。
いい例が 混合ダブルスの渡辺勇大選手。素早いフットワークからのジャンプショットを得意にしているが、しっかり落下地点に入り、同じフォームでシャトルに
対することができ、相手はスマッシュとドロップの判断に迷い、動き出しが遅れてしまう。
[考察4] ギリギリの体勢から打てるバリエーションを増やす
シャトルとの距離感を意識して練習していると、「この体勢ならこれが打てる」ことがわかると同時に「打ちにくい距離感」も分かってくる。
試合では、いつも理想の距離感で打てるわけではない。いざ、打ちにくい体勢や距離感に追い込まれたときに、自分は何が打てるか、どういう打ち方ができるか、
劣勢の場面でも余裕を持ってプレーすることができる。
逆に何もできないのがわかれば、まずはシンプルに距離感を縮めることに専念してみよう。 そうやって距離感を考えることから、
自分のプレーを見直すことにつなげていこう!
[強化方法]としては、普段の練習の中で意識するのが一番。基礎打ちでも、一歩足を出して体を近づけて打つとか、パターン練習やノック練習でも
距離感を意識して、シンプルな反復練習で精度を高めていこう。