羽根に浪漫を込めて[タイ王国]
 バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・8回目[最終回]はタイ王国。

 東南アジアに位置するタイ。首都バンコクは熱帯性気候で暑季、雨季、乾季の3つに季節が分かれており、暑季の2月中旬から5月にかけては30℃を超える気温が続く。 5月中旬から10月ごろまでが雨季となり、スコールによって連日激しい雨が降り続くことも珍しくない。国土面積は約51万4千平方㎞、人口も約6900万人。 宗教は仏教、イスラム教など。9割が仏教徒で、植民地支配を受けずに長い王朝の歴史を持っている。アユタヤなどの世界遺産などが観光スポット。
 タイの国民性は海外から「微笑みの国」と称されるほど温厚で親切な人柄だ。日本とのつながりも深く、親日国としても有名。現在は日本食ブームが起こっていることから、 コロナ禍の前は来日するが観光客が増加していた。また、日本のアニメや漫画などが翻訳されてテレビ放映されたり、本が販売されたりされている。

[文化・スポーツ]
 タイでの人気スポーツはサッカー。海外リーグや国内リーグもテレビ放映されており、高い人気を誇っている。国技として知られるのはムエタイとセパタクロー。 特にセパタクローは世界トップの実力を有している。このほか近年では、バドミントンやバレーボールの競技人口も増えている。
 バドミントン協会は1951年に設立され、当時からタイ王室より多大な支援を受けている。66年のアジア大会では男子団体が優勝、女子団体が準優勝を果たすなど 一時代を築いた。
 1970年代から90年代にかけては中国、インドネシア、マレーシア、韓国といった国々に押されていたが、2000年代入って男子単のブーンサック・ポンサナ、2010年代には 女子単のラチャノック・インタノンが国際大会で活躍。2000年代からジュニア強化に力を入れてきたこともあり、2018年ユーバー杯では女子が初の決勝進出を果たした。 その後も19年の世界選手権では男子単のベスト4に、混合複で準優勝を飾るなど、各種目で実力を付けてきている。

[プレーヤー]
 1960年代活躍したのが、男子単のチャロン・ワトナシン、チャナロン・ラタナサエンスワン。チャロンは60年、62年の全英OPで準優勝。トマス杯やアジア大会の団体戦で 主将も務めた。後輩のチャナロンも全英準優勝している。
 2000年代に入ると、男子単でブーンサック・ポンサナが台頭、04アテネ五輪で4位入賞。
 2010年代には女子単のインタノンが世界ジュニアで3連覇。13年世界選手権ではタイに初の世界一のタイトルを持ち帰った。


[東京に向けて]
 男子単では22歳のカンタフォン・ワンチョレン、女子単のラチャノック・インタノン、混合複のデチャポル/サプシリーらがメダルを目指している。

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