羽根に浪漫を込めて[インド]
 バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・7回目はインド。

 1947年にイギリス領から独立。南アジアに位置し、首都はニューデリー、国土面積は世界7位、人口も約13.5億人で世界第2位である。
仏教の発祥の地であるが現在の仏教徒は少なく、インド国民の8割がヒンドゥー教を信仰している。
 主要産業は米や小麦などの農業だが、近年は工業などの第二次産業が伸びている。ITなどの情報産業サービスに関する技術は1990年代から力をいれているものの、 近年では技術者が世界各国に活躍の場を求め、国内では思ったほどIT化は進んでいないのが現状である。
 日本とは独立後に早い段階から友好関係を築いており、IT関連を中心に来日するインド人も増えている。

[文化・スポーツ]
 インドで最も人気のあるスポーツはクリケット。バドミントンも競技人口が多く、トップ選手が活躍していることもあって国民に親しまれている。
 オリンピック競技ではホッケーが強豪国の一つとして知られており、過去8個の金メダルを獲得している。また、南アジアで盛んなカバディの発祥の地でもあり、 伝統スポーツとして人気を博している。
 4大文明の一つであるインダス文明が栄えて以降、多民族や宗教によって多種多様な文化が形成されている。民族衣装の「サリー」やスパイシーな香辛料を使った料理が 観光客に人気。また、国民の娯楽としての映画があり、毎年多くの映画作品が制作されている。
 バドミントン協会は1934年に設立され、1970~80年代に男子単の選手が国際大会で活躍し、1974年、1982年のアジア大会の男子団体で3位入賞を果たしている。 しかし、女子選手やダブルスでは結果を残す選手は現れていない。
 2000年代になって女子単のサイナ・ネワール、プサルラ・シンドゥが台頭、2人を中心に14年、16年と2大会連続でユーバー杯3位の好成績を残している。 さらに両者ともオリンピックでメダルを獲得している。
 近年では外国からコーチを招き、各種目の強化に取り組んでおり、男女とも団体戦でも強豪国へと成長している。

[プレーヤー]
 1970年代後半から世界大会で活躍したのが男子単のプラカシュ・パデュコーン、1980年の全英ではインド選手初の優勝を飾り、インド国内で最も知られた選手として 高い人気を誇った。その後、1982年アジア大会個人銅のシド・モディ、2001年全英優勝のプレラ・ゴピチャントなどが名選手として知られている。
 女子選手の育成が他国に比べて遅れていたが、2000年代に入ると、ジュニア時代から頭角を現していたサイナ・ネワールが世界トップランナーに成長、世界ランク1位に輝くと 12年ロンドン五輪ではインド初の銅メダルをもたらした。
 サイナの活躍に続いたのが16年リオ五輪で銀メダル獲得したのがプサルラ・V・シンドゥ。19年世界選手権では優勝も果たしている。世界の女子スポーツ選手の収入ランクでも 世界トップ10に入るなど、世界中で知られる選手である。


[東京に向けて]
 男子単では27歳のスリカンス・キダムビ、男子複のシェティ/ランキレッディ、女子単のプサルラ・V・シンドゥ、サイナ・ネワールらが世界のライバルと戦う。

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