羽根に浪漫を込めて[中華人民共和国]
 バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・6回目は中華人民共和国(文中は中国と表記)。

 約14億人と世界一の人口を擁し、広大な国土のため北と南では冬季の気温差が30度もの開きがある。
首都の北京は政治の中枢であり、近年ではアジアでは屈指の国際的な都市として成長している。また、商業・工業・金融などの中心として栄えている上海は岡山からの 航空便があることなどで結びつきが深い。国内人口が最大の広州では様々なスポーツの国際大会が開かれている(もちろんバドミントンも)。
 中国といえば、古代より続く長い歴史があり、世界四大文明の一つであり、われわれ日本でも使われている漢字の発祥の地であり、歴史的にも日本と中国の関係は深い。
 国の成長が進むにつれ、近隣国との領土問題がたびたびニュースになることもある。アメリカ、ロシア、北朝鮮、そして我が国との外交は世界からも注目を 集める話題の一つである。
 米・小麦の生産量、造船の竣工量、産業ロボットの稼働台数などが世界一で、国民総所得も日本を抜いてアメリカに次ぐ世界2位となっている。
※「論語」「三国志」「四川・北京などの中華料理」「様々な遺跡・歴史遺産」など興味があったら調べてみて!

[スポーツ]
 バドミントンは卓球と共に国技となっている。他にも飛込(水泳)、体操、陸上などオリンピックや世界大会で多くのメダルを獲得している。近年ではサッカー、 バレーボールやバスケットボールも人気が高い。2022年冬季オリンピックも開催予定で、冬のスポーツにも力を入れている。
 1958年にはバドミントン協会が設立され、1973年に国際バドミントン連盟(IBF)に加盟したが、既に加盟していた台湾の除名を要求したが却下されたので、 中国は香港などと別組織WBF(世界バドミントン連盟)を発足して、しばらくは平行線をたどっていた。1981年、東京で開催された両総会で和解し、中国のIBF加盟が認められて 国際大会への道が開けた。
 82年のトマス杯、翌年のユーバー杯でともに初出場ながら優勝を飾り、中国の時代を告げた。トマス杯の優勝10回、準優勝2回、3位6回。 ユーバー杯は優勝14回、準優勝3回、3位1回。世界選手権は金メダル66個、銀メダル46個、銅メダル75個とずば抜けた戦績を残している。

[メダル量産の確立した育成システム]
 インドネシア、韓国などとしのぎを削っていた90年代前半から、徐々に中国がリードし始めた。2000年代に入るとト杯ユ杯で連勝記録を打ち立て、黄金時代を築いていった。
 中国の強さの裏には確立した育成システムがある。各省にある体育学校で養成されたエリートから選抜されて代表チームを構成している。代表選手は国家公務員並みの厚遇を受け、 五輪や世界大会で活躍し、結果を残せば多額の報奨金を得ることができる。引退後も年金制度で安定した生活が保障されるとあって、「世界一のバドミントン選手をめざす」ジュニアが 多数生まれている。


[五輪成績]
 五輪のシングルス、過去7回参加で男女で8個の金メダル。男子の林丹、諶龍らが頂点に立ち、北京、ロンドンでは女子単の同国決勝を戦っている。 銀は男子1、女子2、銅は男子3,女子4個獲っている。
 女子ダブルスはアトランタから北京まで4大会連続で金を獲得しており、00年シドニーでは金銀銅すべてのメダルを独占している。
 混合ダブルスは金3、銀1,銅3個獲得し、鄭/黄は2年以上世界ランク1位を堅持、東京五輪でも金メダルの筆頭。
[東京に向けて]
 混合複の鄭/黄をはじめ、男子複の李俊慧/劉雨辰、女子複の陳新晨/賣一凡、男子単の石宇奇、女子単の陳雨菲などがメダルをねらっている。

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