羽根に浪漫を込めて[イングランド]
 バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・5回目はイングランド。

 イギリスを構成する4つの国の一つ、グレートブリテン島の中・南部と複数の島々から構成されるヨーロッパ大陸の近隣に位置している。 四方を海に囲まれ、地理的に他国の影響をあまり受けずに独自の歴史と文化で栄えてきた。世界的なスポーツであるサッカーやラグビーの発祥の地として知られ、 音楽やファッションもUKロックやUKファッションなどのなど世界で認められた文花となっている。
 首都のロンドンは世界有数の都市であり、郊外にグリニッジ天文台があったことから世界の時刻の基準点(本初子午線)とされている。
 気候は温帯。ロンドンの緯度は日本より高緯度だが、偏西風などの影響で冬は日本ほど厳しくはない。年間を通して雨の日が多く、イギリスの人は多少の雨では 傘をささない、などと言われている。
 過去には世界の経済や工業分野でリードしていた時代があり、愛国心の強い国民性で知られている。現在は、EUからの離脱などで経済的にも不安定な様相を醸している。

[スポーツ]
 バドミントンやテニスなど、19世紀の後半に様々なスポーツの協会設立、ルールの制定などがイングランドで行われた。現在ではサッカーやラグビーなどが 国内の人気スポーツとして知られ、競馬やクリケットも世界的に有名。2012年むには4回目のオリンピックも開催されている。(1944年は非開催)。
 1893年に世界初のバドミントン協会が設立され、1899年には世界初のオープン大会である全英OP(第1回は複2種目)を開催した。バドミントンの母国として 長い歴史と伝統を持っている。
第二次世界大戦前はイングランド選手が各種大会で好成績を残して世界のトップに君臨していたが、1947年以降はデンマークやアジアの強豪、マレーシアやインドネシアが台頭。 これまで独占していた国際対の上位を譲ることが多くなってきた。
 1949年に開幕のトマス杯、57年開幕のユーバー杯はイングランドの名選手である2人がトロフィーを寄与したことからその名が大会名になった。しかし、 イングランドはどちらのタイトルも獲得したことはなく、女子のユ杯準優勝が最高成績だ。
トマス杯3位が2回、ユーバー杯準優勝2回、3位4回。世界選手権は金メダル2.5個、銀メダル8.5個、銅メダル13個(他国選手とのペアは0.5で計算)。 スディルマン杯3位1回。

[殿堂選手を多数輩出]
 世界バドミントン連盟(BWF)の殿堂入り選手を11名輩出。第二次世界大戦までは全英の表彰台を独占していたが、50年代以降は低迷している。アーチャー/グードが 銀メダルを獲得。2006年世界選手権の決勝はロバートソン/エムス、クラーク/ケロッグが同国対決を果たしている。
 1990年代はいると混合複で活路を見いだし、99年世界選手権で強力なアタック力を武器に「ダブルス王国」を築き上げた。 2010年以降は、現在も牽引するアドコック夫妻がワールドツアーなどで活躍している。

[五輪成績]
 五輪ではイングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズの4カ国で構成した「イギリス」として参加。 男子ダブルスはリオで銅(ラングリッジ/エリス)、混合ダブルスはアテネで銀(ロバートソン/エムス)、シドニーで銅(アーチャー/グード)の3つ。 ただ、単ではなかなか上位選手は育っていない。

[東京に向けて]
 男子複のクリス・ラングリッジ/マーカス・エリスがリオに続いてメダルを狙う。女子複のローレンス・スミス/クロエ・バーチ、混合複のクリス/ガブリエルの アドコック夫妻、マーカス・エリス/ローレンス・スミスらも出場を目指している。

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