羽根に浪漫を込めて[大韓民国]
バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・4回目は大韓民国。
日本の隣国、朝鮮半島の南部に位置する韓国。気候は日本と同様、四季がはっきりしており、梅雨や台風もある。面積は朝鮮半島の約45%の10万平方キロで、
日本の約4分の1。人口は約5127万人で首都はソウル。
宗教は仏教やキリスト教が多いものの、長い歴史の中で儒教思想が社会や文化に浸透している。
首都ソウルは近代的なビルが建ち並ぶアジア有数の大都市。洗練された街並みでありながら、朝鮮王朝時代の史跡なども残っている。
自動車や半導体、通信が1990年代から目立ちはじめ、2000年代に入ってIT、電子機器などが主力産業である。財閥の力が大きく、サムスン、現代、LG、
SK、ロッテなどのグループ企業が有名だ。これらの企業が野球やサッカー、バレーボールなどのプロチームを保有し、スポーツ業界を支えている。
文化の面でも日本での韓流ブーム、K-POPなど人気が高い。
[スポーツ]
韓国発祥でオリンピック競技でもあるテコンドーは国技として人気が高い。また海外リーグで活躍する選手の多いサッカー、野球も人気が高い。
五輪競技のアーチェリー、バドミントン、冬季五輪のショートトラック、スピードスケートなども世界トップクラスの実力を誇っている。
1957年にバドミントン協会が設立され、88年ソウル五輪に向けて国がスポーツ強化に力を入れ始め、バドミントンも実力がアップし始めた。
91年スディルマン杯で団体初の優勝、93年と続いて2連覇。トマス杯/ユーバー杯では中国に何度も屈していたが、2010ユーバー杯で初優勝。
トマス杯は準優勝2回、3位7回で優勝にはあと一歩。
世界選手権は金メダル10個、銀メダル13個、銅メダル30個だが、以外にも男女とも単では優勝者が出ていない。
[強打で築いてきたダブルス王国]
1980年代以降に頭角を現してきた韓国。代表選手が集う選手村でフィジカルを中心とした強化法で世界トップへの国になった。
その筆頭は皇帝と呼ばれた朴柱奉(現日本代表監督)で、80年代中盤から90年代にかけて男子複・混合複でメジャータイトルを奪取、IBF(現BWF)殿堂入りしている。
それ以降も男女の複、混合複で世界タイトルを掴むペアが続出し、強力なアタック力を武器に「ダブルス王国」を築き上げた。
女子複の黄恵英/鄭素英、男子複の河泰權/金東文、李東秀/柳鏞成などがいる。
女子単の方銖賢、男子の李龍大なども活躍していたが、最近はトップに立つ選手が出ていない。
[五輪成績]
シングルス、女子唯一の金メダリストは1996アトランタの方銖賢が92バルセロナの銀とあわせ2つのメダルを獲っている。
男子は2014アテネの孫升模が銀メダル。
ダブルス、獲得したメダル総数は19、そのうち16個がダブルスでのメダル。92バルセロナで女子複の黄恵英/鄭素英、男子複の朴柱奉/金文秀が金。
96アトランタでは混合複で同国決勝、金東文/吉永雅が金、朴柱奉/羅景民が銀。
2004アテネで男子複、河泰權/金東文、李東秀/柳鏞成が金と銀を分け合った。河/金は2000シドニーで銅、李/柳も銀メダルを獲っている。
2008北京大会で李龍大/李孝貞が混合複で栄冠に輝いている。
[東京に向けて]
有力候補は、男子複の催率圭/徐承宰、女子複の金昭英/コン ヒヨン、混合複の徐承宰/蔡侑玎、
女子単、18歳の彗星といわれるアン・セヨンらがいる。
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