羽根に浪漫を込めて[デンマーク王国]
 バドミントン強豪国のお国事情や戦績、名プレーヤーなどの紹介・・・3回目はデンマーク。

 北欧の中でも南に位置し、ドイツからの陸続きとなるユトランド半島と首都コペンハーゲンのあるシェラン半島、オーデンセがあるフュン島など400 以上の島々から構成されている。面積は日本の九州とほぼ同じ大きさ、人口は約581万人(兵庫県ぐらい)。高緯度の割に暖流の影響で暖かく、 冬の気温も札幌より高い。夏も涼しく、平均21度前後。
 首都のコペンハーゲンは宮殿や古い建造物が建ち並ぶ美しい街として観光客も多い。8月トマス杯・ユーバー杯開催予定だった第2の都市オーフスの大聖堂、 アンデルセンの故郷オーデンセなども有名だ。みんなも手にしたことがある『レゴ』もデンマークうまれだ。
 税金の高さは世界有数だが、教育、医療、子育てや保健などの福祉も充実している。公立学校は小学校から大学まで無料で、自主性を育てる方針が強い。
世界でもオランダに次ぐ高身長の国で、男性は平均身長が180pを超える。

[スポーツ]
 人気スポーツはサッカーとハンドボール。バドミントンも人気スポーツの一つ、自転車競技やセーリングなども盛ん。
1930年に協会が設立され、1949年の第1回トマス杯で準優勝、女子は1957年の第1回ユーバー杯でも準優勝。
とくに男子は単複で世界選手権や全英制覇を果たすスター選手がコンスタントにうまれている。
世界選手権は女子複を除く4種目で優勝しており、メダルの総数は世界第3位。

[世界トップランカーを多数輩出]
 1970年代までは全英OP男子単複計11優勝のエーランド・コップス、男子複で4連覇を含む6回優勝のコブベロ/ハンセンなどが有名。 女子でも複トルンダル/アムは50年代に全英2連覇を遂げている。
80年代は男子単のモルテン・フロストが世界のトップに君臨。全英準優勝4回、世界選手権準優勝2回 など、デンマークの貴公子は世界中のファンを虜にした。
 それ以降もアトランタ五輪男子単金メダル、全英OP優勝2回のP・E・ホイヤーラーセンや97年世界選手権優勝のP・ラスムセン、2000年代には ピーター・ゲード(99全英優勝、01世界選手権準優勝)などが母国を牽引している。
 女子も単のT・ラスムセン、複のリターユール/ベデルセンなどが全英や世界選手権で好結果を残している。

[五輪成績]
 五輪初メダルは1992バルセロナの男子単(銅)。1996アトランタではホイヤーラーセンが金。その後メダルから遠ざかっていたが、 2016リオで若手アクセルセンが林丹を破って銅メダル。女子単のメダルは2000シドニーでC・マーチンが銀メダル。
 ダブルス、国際大会で活躍していたデンマーク勢だが、五輪では苦戦が続いた。2004アテネで混合複のエリクセン/ショルダガーが銅メダル。 2012ロンドンでは男子複のボー/モーゲンセンが銀、混合複でもニールセン/ベデルセンが銅と複数獲得。
リオ大会では決勝で日本の高橋/松友に世紀の大逆転を許してしまい、銀メダル。

[東京に向けて]
 有力候補は、男子複のキム・アストルップ/A・S・ラスムセン、女子複のマイケン・フォウガード/サラ・トゥーグセン、 男子単のビクター・アクセルセン、アンダース・アントンセン、女子単のミア・ブリックフェルトなど。

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