日本が経済発展を続けた時代に実業団スポーツの文化は強まった。選手は社員として雇用され、生活が安定する。
チーム活動の費用も会社が組んだ予算を使うのみ。会社が求める以上の活動をすることは難しい。現場も社業と認められない
仕事は避ける。S/Jリーグの観客動員数の少なさが話題に上がるが、チケット収入でチームやリーグの運営を賄っているわけではないので、
当事者は誰も困らない。
競技人気を高めるためには改善が必要だと考える人は多いが、実際に動くのは難しいのが実態だ。
社内を活性化するために存在するチームは、会社の意向がなければ身動きが取れない。岐阜が
プロ化できたのは、丸杉の創業一家で取締役でもある杉山社長が主で動いたからで、稀なケースだ。
実業団チームのデメリットとして、1社の決定だけでチームは消滅しかねない。プロ化することにより、
地域の複数のスポンサーに支えられれば、こうしたチーム消滅のリスクを分散できる。
プロ化は、よほど人気がなければうまくいかないと考える人は多い。
多くの人がマスメディアを通じてスポーツに触れてきたからだが、現在のプロスポーツの多くは、全国にファンクラブをつくるのではなく、
地元にファンをつくることを重視している。
地域で勝ちを持てれば、地元を中心に複数の企業からサポートを得ることが可能になる。国や企業などから予算が降りてくる形に
限界が訪れようとしている時代、プロ化によって自営するスタイルが継続的な活動に結びつく--そんな考え方が、日本の
スポーツ界に広がっている。
丸杉から岐阜Bluvicにチーム名を変更、プロクラブ化後、選手が指導するバドミントンスクールを開始した。町のイベントへの参加、
商業施設での競技アピールイベント、老人ホームのほうもんなど、さまざまな活動を行っている。
プロ野球やサッカーのJリーグ、プロ化したバスケットボールのBリーグ、今秋から新リーグとなったバレーボールは、
ホームチームを応援する地元ファンが主役だ。チーム名から企業名をハズして地域名を押し出すチームなど、地域密着化を進めている。
バドミントンはホームゲームが少ない、など大きな障壁はあるが、部内マッチや練習試合の公開、冷房の効いたアリーナで、コートマットを使って
プレーできる環境を選手とファンが共有できるなどを通じて、これからのバドミントンを盛り上げる試金石になってほしい。
※ チームの拠点は、岐阜市内にある丸杉バドミントンアリーナ。バドミントンコートが6面常設(冷房有り)。
通常の練習、バドミントンスクール開校。
五輪出場選手の福島由紀、廣田彩花に加えて、世界ジュニアを制した平本梨々菜が加入する。