●レベル差がある人と組むときは
 様々な相手とペアを組むことがあり、ミスをカバーしてくれる自分よりも実力が上の人と組む場合もあれば、 自分よりも実力が下で自分がカバーしないといけない人と組む場合もある。
 この時に大切なことは、ダブルスは2人で力を合わせて戦う事が必要であり、特にレベル差がある人と組む場合は お互いのプレーには注意が必要となってくる。
(1)基本はダブルス戦術の徹底が必要
 チームとしてお互いがどのように動いていくのか、役割分担の共通認識が重要となってくる。
 ダブルスのペアで実力差が明らかな場合、相手は確実に下手な方を狙ってくる。
その上でチームとしての戦略を練り、戦術としてペア同士の共通理解が必須となる。
特にお互いの守備範囲の設定、前衛後衛の役割分担などさまざまな場面を想定して戦術を共通理解することが必要なのだ。
(2)パートナーの事を理解する
 ダブルスのパートナーとの実力が拮抗していて、お互いの癖も性格も理解し合っているというようなダブルスペアは稀。
大概はどちらかが下手であったり、性格的に合わなかったり、上手くいってそうでも潜在的に問題を抱えているペアがほとんどなのが実情。
その事を理解してパートナーと向き合うことが必要なのだ。
(3)パワーバランスの存在
 2人以上の人が集まると、必ずそれぞれの技術的・性格的にパワーバランスが存在する。
バドミントンのダブルスにおいても例外ではなく、人間関係を平滑に保つため、お互いが歩み寄る姿勢が重要だ。
(4)相手を思いやる
 ダブルスにおいてレベルの下の人と組む場合、相手を思いやることが大切だ。自分が同じ立場になった場合を考えて、 どうすればチームとして機能しながら相手をカバーできるのか考える必要がある。
(5)技術面と精神面
 バドミントンにおいて技術面では優れていてシングルスはプレーできても、精神面でダブルスに向かない人も存在する。
それはシングルスとダブルスには、個人プレーと団体プレーの違いがあるからだ。
(6)技術的に下の人と組む場合、自身が強くなること
 ダブルスは2人で1つのチームなので、チームの結果が伴わない場合、個人の問題ではなく、チームとして機能していないことが問題になる。
 下手なパートナーの力を最大限に発揮できる環境作りも、上手い人の役目になる。
全て自分が拾うのではなく、パートナーに返るシャトルが打ちやすくなるようにコントロールすることや、 基本は後衛でリードしながらカバーをして、機を見て攻める。
 なかなか難しいが、自身が強くなることが必要なのだ。
(7)シングルスではなくダブルス!
 上手い下手はあるが、シングルスではなくダブルスであり、1つのチームということを意識する。
2人で力を合わせて勝利を掴む喜びは、シングルスとはまた違う特別な勝利だ。
 2人で勝利を味わい、2人で負けた悔しさを噛みしめる。これらはシングルスには無い、ダブルスだけの魅力だ。

●ペアが弱いからダブルスが勝てない?
 ペアが弱い→『発想の転換』ダブルスで勝つ試合運びと考え方
・ペアのミスを考えるより次に点を取る
・試合の『流れ』を意識しよう
・試合に集中できる環境をお互いに作る意識が大切

 バドミントンのダブルスはペアのミスを許す・・・ペアのミスを怒る選手は本当にいい選手と言えるのだろうか?
いいえ、バドミントンのダブルスでのミスは『2人のミス』。  というのは、バドミントンのダブルスではサーブもサーブレシーブも交互だし、 必ず打つタイミングは平等にあるわけですから、ラリーに参加しないことはほとんどない。
(レシーブやサーブ)でラリーに参加するわけなので、戦術を立てればミスを防ぐことができるはずだ。
 バドミントンを楽しみたい、勝ちたいと考えているならペアに対して敬意を持って取り組むことがマナーで、 ペアのミスを考えるより次に点を取ることだ。
 パートナーに、決め球をミスした・20-20の時にミスをした、このように大事な時にミスをされるとガックリする。
もちろん、それは勝負なので『勝ちたい意思』があれば必ず芽生える感情なのだが、大切なのは『切り替えること』のハズ。
 今のバドミントンはラリーポイント制。最後は何かしらのミスで終わるので、ペアがラリーの最後のミスをしても『切り替える』ことが大切だ。

 ダブルスは試合の『流れ』を意識する ・・・試合の流れ→点数の移り変わり、どちらが『自分たちのラリー』を展開できているのか
点数が連続で取られて徐々に離されている、自分たちが攻撃しても決めきれない
 このようなとき、『試合の流れ』を意識しているだろうか? また、冷静に『今は流れが悪い』と感じることはできている?

 バドミントンはラリーポイント制で、点数を取って取られての繰り返し、その中で この『悪い流れの切り方』こそダブルスに必要不可欠になる。
 バドミントンは『試合の展開が速い』ので、その試合の展開に置いていかれないように、流されないように『すばやく悪い流れを切る』ことが求めらるわけだ。
『すばやく悪い流れを切る』には、『声がけ&深呼吸&間』
 声をかける目的は『ミスをしてもいいんだよ、思いっきってプレーしていこう』という気持ちを提示すること。
ミスしたら「ごめん!」、ペアのミスには「ドンマイ!次いこう!」、決めたら「ナイス!ありがとう!」
ポジティブな言葉をかけることで『ペアの雰囲気』が明るくなるし、大きな声ではっきりと伝えるようにすれば嫌な気持ちにならない。
 何も言わないと圧を感じてペアが萎縮してしまう → ミスに繋がる → 焦る → ミス ・・・と悪循環。
ペアの最大の力を引き出してあげられるのは組んでいるあなたの力だ。
 また、『深呼吸』して冷静になると頭が冴えてくる。悪い流れの時は『焦って周りが冷静に見えなくなる』ことがほとんどなので、 ペアが焦ってミスを連発している時は、まずは深呼吸して落ち着かせよう。
「大丈夫、大丈夫!」、「バック前が空いてるから狙ったらいいかも!」、「落ち着いていこう!」、深呼吸して『次!次!』と切り替えよう。
 さらに、悪い流れを切るにはうまく『間』を使う。
 ラリー間をとるには、靴紐をくくり直す、シャトルを変えてもらう、ペアと少し会話をする など・・・
ただし、長い時間をかけたり、頻繁に使うと、試合が遅滞したり、相手に迷惑がかかるだけではなく、「フォルト」を取られることもあるので注意すること。
 サービスの際にも、すぐにラリーを始めるのではなく、少し間を置くことでリズムが出てくるので、この少しの間を取ることも『流れを変化させる』方法の一つ。

 ダブルスは『環境づくり』が大切
 ペアが怖い→ミスを恐れてしまう・萎縮してしまう、ペアが声をかけてくれない→自分も声をかけることができず萎縮する、 ペアの機嫌を伺う必要があったり、バドミントンのプレー以外に気を遣わないといけないとマイナスに作用する。
 逆に、ペアが声がけしてくれる→明るい気持ちで前向きに試合に臨める、会話をしてくれる→作戦が明確になってスムーズに動けて、 ポジティブに楽しめるし、自分たちの良さを発揮していくことができる。
『弱いから勝てない』ではなく『弱いならどう勝つか』を考えるようにしよう。
 はじめは上手くいかなくても、何かの縁でペアになったのであれば、パートナーを信頼して、2人で成長していく魅力を味わって欲しいものだ。

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