2024年を先読み展望!
国際大会Ⅰ パリ五輪に向けて
 今年一番のビッグイベントは、7月末に開幕するパリ五輪。
"五輪レース"も世界ランクのトップ8に入る各国の1番手は、ポイント上、ほぼ出場権を手中に収めている状況。
 日本勢では、国内2番手とのポイント差が大きい男子単の奈良岡功大、女子単の山口茜、男子複の保木卓朗/小林優吾、混合複の渡辺勇大/東野有紗など、 安全圏に位置している。
 気を抜くことができないのは女子複。パリ五輪に2ペア出場するには、ダブルスの場合、8位以内に2ペア以上が入っていなければならないので、 現時点で先行しているのが志田千陽/松山奈未、続いて永原和可那/松本麻佑。ここに猛追するのが櫻本絢子/宮浦玲奈、中西貴映/岩永鈴・・・。
 また、福島由紀/廣田彩花は最後の可能性を残しながら全英OPにも参加して、ポイントレースに挑んでいる。
過酷な2番手争い
 大詰めを迎える各種目の2番手争い。
 男子単は西本拳太と常山幹太に絞られてきた、全英OPなどを終えてやや優勢なのが西本。
 女子単は、ケガで出遅れていた奥原希望が、先行している大堀彩を猛追している情勢。4月のアジア選手権まで競り合いが続きそうだ。
 男子複は古賀輝/齋藤太一が2番手につけているが、8位以内の確保が必要で、他国との2枠目を争いも激化していく状況が最後まで続きそう。
 混合複は緑川大輝/齋藤夏、山下恭平/篠谷菜留に絞られつつある。全英OP後で緑川/齋藤が一歩リードしている。難関となる8位以内に向けて、 さらなるポイントが積み増しできるかどうかに注目が集まる。
世界一を決めるトマス杯・ユーバー杯
 世界的イベントのパリ五輪とは別に、バドミントン糧の最高峰の大会であるトマス杯・ユーバー杯が4月末(4/27~5/5:中国・成都)に開催される。
 1年おきに、2複3単で争う団体戦で、世界一を決める。日本は前回大会、男女とも銅メダル。
リベンジをねらう日本の前に立ちはだかるのが中国。単複にアナのない布陣で総合力で抜けた存在。 男子のインドネシア勢、女子の韓国も侮れない状況だ。
 今季の日本A代表は大きな顔ぶれの変化はなく、経験値は大きいが、爆発力にやや乏しい状況で、優勝にはかなり険しい道のりが予想される。
国際大会Ⅱ 五輪後は勢力図は一変か!?
5~7月も続く険しい道
 4月30日に発表される世界ランキングにより、パリ五輪の出場者が決定する。選手たちは、ここから本番に向けて最終調整に取り組むことになる。
 五輪本番までの約3ヶ月間も、通常のワールドツアーは実施されるので、出場権を手にした選手たちにも出場が義務づけられる。コンディション調整や 強化練習などに専念するわけにもいかない。
 7月上旬まで世界ランクの上位をキープしないと、五輪でのシードを獲得できないため、特にメダルをめざす選手たちには、この期間の取り組み方が重要になってくる。
パリ五輪本番
 7月27日にスタートするバドミントン競技は、男女合計で最大172選手の出場枠。男女シングルスは35名に開催国枠と2つの ユニバーサリー枠があり、最大で38名。ダブルスの3種目は16ペアでメダルを争うことになる。
 大会方式は東京五輪と同様、各種目で予選となるグループリーグを戦い、リーグ上位者が決勝トーナメントに進出する。
 単の決勝トーナメントは14~16選手、複は8ペアが進出。3位決定戦まで行うため、準決勝で敗れた選手も、メダル獲得に向けて もう1試合戦うことになる。
五輪後の戦い
 パリ五輪終了後、2週間後にはワールドツアーが再開する。
 最初は、8月第3週のジャパンOP(東京)。翌週には韓国 OPが連続で行われる。
 五輪後は、各国の世代交代がポイントになる。パリ五輪を競技生活の集大成とする選手も多く、五輪を一区切りにする選手も多いだろう。 特に、新型コロナの影響で一年延期となった東京五輪のため、パリ五輪まで現役を続行する選手が多かった。そのため、再び闘志を燃やしてさらに 4年後に切り替えるには相当のエネルギーが必要だ。
 そうなると、夏以降のツアーには若手選手が台頭してくる。ツアー後半の見所になってくるだろう。
 日本勢を見ると、東京五輪を期に、園田啓悟/嘉村健士、遠藤大由の3選手が代表を離れ、当時3番手だった保木/小林が最上位に浮上、現在の 男子複を牽引している。
 志田/松山もツアー初優勝で自信をつけて、世界ランキング1桁台に・・・。パリ五輪後も各種目で上位選手が入れ替わるかもしれない。

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