☆筋肉が疲れるってどういうこと?
筋肉を動かすにはATPが必要
筋肉が疲れると、体を動かしにくくなる。
私たちが体を動かすときはATP(Adenosine triphosphate)という物質が使われる。ATPは細胞の中にあるミトコンドリアで作られていて、
分解されるときに筋肉が収縮するのに必要なエネルギーを放出する。
ATPは筋肉には少ししか含まれていないため、常に作り続けていかなければ活動を続けることができない。
燃えかすが疲労物質
ATPをつくるには、炭水化物(糖質)が必要。そのため、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)、筋肉や肝臓にあるグリコーゲン(糖質の一種)を
分解して、体はATPをつくっている。
ところが、ATPをつくると、同時に疲労物質もつくられてしまう。これは、エネルギーをつくるときに完全燃焼できずに
残った燃えかすのようなものだと考えてよい。
この疲労物質が多くなると、組織や血液が酸性に傾き、細胞の活動は低下していく。
やがて、筋肉が収縮する力も落ちて、疲れを感じるようになってくる。このように、
筋肉に疲労物質がたまった状態になると「筋肉疲労」が起こる。
血液循環と筋肉疲労の関係
ふつうなら疲労物質は、血液に運ばれて取り除かれるため、筋肉疲労は時間が経てば回復するものだ。
ところが、血液循環の悪い人はなかなか疲労物質が消滅しないため、筋肉の疲労も抜けにくくなる。
筋肉痛は修復の痛み
筋肉痛の主な原因は、「筋肉疲労」や「肉離れ」「こむら返り」。この中で、ふつう「筋肉痛」と呼んでいるのは、「筋肉疲労」によるものだ。
筋肉疲労は、普段使わない筋肉を動かしすぎて、筋繊維が壊れたことで起こる。
しかし、細胞が壊れたから痛いのではない。なぜなら、運動の直後ではなく、しばらく経ってから痛み出すからだ。
筋肉痛は壊れた筋繊維が再生するときの痛みなのだ。筋肉が生まれ変わり、回復するときに細胞から痛みを感じさせる物質(プラジキニンやヒスタミン)が
分泌されて、神経を刺激する。その物質が筋肉痛の正体だ。
このとき、以前より丈夫な筋繊維として修復される。これは、定期的に同じ運動をしていると筋肉痛が起きにくくなることからもわかる。
若い人ほど、筋肉痛は早く起こる
筋肉痛が早くくると若い、遅いと年をとった、などというが、あながち間違いではない。
若い人ほど筋肉の再生が早いので、筋肉痛が早く起こる。反対に、年齢を重ねるほど細胞の分裂が遅くなるので、筋肉痛は後から出てくる。
血液の流れをよくして、痛みの物質を血液中から追い出すことで、筋肉痛は解消できる。
そのためには、ストレッチや入浴、マッサージなどが有効だ。
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