2:1の練習を考える!
 フィジカル強化で行われる練習に2:1の練習がある。1:1のゲーム練習よりラリーが続くので、体力的に追い込まれる。その中で安定したストローク、 フットワークを身につける。継続する体力とコントロールを身につけるのが大きなねらいだ。
 2:1ではコートの半分を動く「2」が全面の「1」を動かして、とにかくシャトルを返せ!となりがち。追い込まれる「1」のフィジカル強化 にはなるが、コート内を走り回って”キツかった・・””疲れた・・”だけではもったいない話。練習の意図をしっかり理解すると大きな成長が望める。
「今日はここを強化しよう」という目的意識を持ってコートに入ろう。疲れる練習だというイメージしかなければ、 意識を変えなければならない。練習のための練習にならないように常に試合を意識することが重要だ。
 今回はシングルス強化をねらいに2:1の練習を考えてみよう。


[1]考え方の基本
 たとえば、「守っている「2」の間を狙ってセンターにドロップを打つ」状況を想定する。二人の陣形を崩すためには有効だが、シングルスの 強化という意味では、そこはめったに打たないコースだ。相手が二人いるのでレシーブされるされると分かっていても、サイドライン際を積極的に ねらってスマッシュを打つ練習をすべき。シングルスの「試合を想定した」練習で、2人側から返球されるのを認識の上、 次の体勢や構えをとるでことが大切である。

[2]守備練習[2がトップ&バック]
★「2」の後衛はスマッシュかカット。前衛はネットとロブ、たまにプッシュを入れてもOK。攻撃側もコントロール練習になるので、「1」を コート内でしっかり動かす。
 「1」の守備練習は、相手からのシャトルにどう反応するか、トップ&バックで待ち受けている後衛からのスマッシュは、実際のシングルスの試合より 速いスマッシュを打ってくるので、まずは追いつき、シャトルにさわること。クロス前にリターンするなどして、2人側を対角に走らせる意識を持とう。

[3]守備練習[2がサイド・by・サイド]
★「2」の攻撃側は後ろからスマッシュかカット。「1」がストレートのネットへリターンすれば、前に出る動作が入るので「2」側にとっても練習になる。 守備側の「1」は、前に落とす、クロスに返すといったレシーブを積極的に使う。レシーブのコースに練習したい選手向けの方法だ。
 トップ&バックの時のスマッシュより威力が落ちるので、どこに返球するかを考えながら集中して練習しよう。

[4]攻撃練習[2側からの前無し・後ろ無し]
目的によって動く範囲を限定して練習する。ネット前で厳しいヘアピンやプッシュが打てるようになりたいならば、 ログサービスラインより後ろ無し。ポジションを少し前にとることができるので前での攻撃力を磨くことができる。
 逆に後ろからの攻撃力をつけたい場合は、ショートサービスラインより前無しにする。ポジションが一歩後ろになれば、後ろに速く下がってスマッシュ、 攻めのカットやドリブンクリアを打つ感覚がつかめる。運動量を確保したい選手は、オールコートにして目一杯動いて体力をつける。
 守備側の「2」側は「1」のアタックを防御し続けて、ラリーを長くつなげるよう意識して練習する。レベルを上げるには、攻撃側も守備側も クリア有りにすると、より実践的になる。

[5]より実践的練習[パターン・アレンジ]
「1」の攻撃練習をパターン化して、積極的に攻撃を仕掛ける。
 攻撃側「1」がフォア奥で守備側「2」の後衛とクリアを打ち合い、「1」がクロススマッシュ。「2」側のもう一人が、ストレートにショートリターン。 「1」は前に出て速いクロスロブ、フォームを崩すことなくこれを繰り返し、何度も攻撃できる態勢を維持し続ける練習だ。「1」が意識を持って 継続しないと練習の効果は低くなる。

さらに発展させて、守備側のコントロールも養う。
 攻撃側「1」がフォア奥で守備側「2」の後衛とクリアを打ち合い、「1」がクロススマッシュ。「2」側のもう一人が、ストレートにショートリターン。 ここまでは前出と同じ。ここではヘアピンを何本か打ち合い、「2」の前衛がストレートのロブ。攻撃側「1」はすぐ下がり、「2」の後衛とバック奥でクリアを打ち合う。 サイドチェンジしながら続けていく。守備側は2人いるので上級者でなくても続けられるはず。ミスが多くなると当然練習の効果は低くなる。

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