★左利きの技術と戦術



 スポーツ選手にとって利き手・利き足は試合の戦術を決める上で重要な要素である。一説では、約90%は右利き、10%が左利きといわれている。
右利きが大半を占める中、左利きの選手は独自の技術や間合いを生かしたプレーをしている場合も多い。
インターハイでは毎年左利きの選手がベスト8以上に進出している。(14年度は男子2人、女子1人:13年度は男子1人、女子2人)
ダブルスも左右ペアが14年度は男子4組、女子2組(13年度も同じ)で、全中ダブルスでは2年連続で男女とも左右ペアが優勝している。
左利き選手の技術と戦術を強化するとともに、右利きの選手にとっては左利き対策にもなること間違いなし。

●左利きの利点
 左の選手は絶対数が少ないため、右利き選手にとっては慣れていない分やりづらい。フォアとバックが逆になるテンガ大きい。
ダブルスでも相手が一瞬迷う瞬間、リズムを崩す。特に右利きが右サイド、左利きが左サイドの場合、より左右ペアの効果が発揮できる。
バック・バックの体勢でも左利きだと、センターからフォアのクロスカウンターで攻めることも可能なのでポイントが取りやすい。

●左利きの戦術
 守備の時、左右ペアで振りとされるのが両者の利き腕がセンターにある”バック・バック”のポジション。センターに攻撃されると お互いがフォアのため、ラケットが重なる場面がある。
→左利き選手がフォアで相手のバック奥を突いて、その後素早く右サイド後ろへ移動する。右利きのパートナーが前衛に出る。 バック奥からの相手からの返球がストレートに上がれば左利き選手がストレートスマッシュを打つ。クロスへドライブが返球されたら右利きが前衛で 浮く前にプッシュする。
 攻撃時は、トップ&バックでローテーション無しで攻め続けられれば最良。左利きの後衛が3本連続でスマッシュを打ってチャンスを待つ。
。 1・2本ともストレートにスマッシュを打つのだが、1本目は相手のフォア側、2本目はバック側と打ち分けができればOK。
右利きの前衛が2本目のクロスリターン飛び付きたくなるのを我慢して、後衛が3本目のストレートスマッシュで沈めて、ネット前に上がってきた 甘いリターンを右利きのフォアで確実に仕留める。

●マスターしたい左利きの戦術
 左利きの利点の一つがフォアからのクロスカット。相手が打つ低めのストレートロブに飛び付いてラウンドから逆クロススマッシュで攻める攻撃的な戦術。
カット→スマッシュと緩急がつくので、相手は対応しづらい戦術だ。パワーと、肩や手首の強さが求められるので、日頃から強化を・・・。
 次に、フォアからのクロスカットのあと、ネット前に返球されたストレートリターンへの対応を考える。ネット前に落とすと見せかけて 低くて遠いクロスロブで押し込めば、相手に追いつかれても両サイド奥か左前の3点を張っておけば対応できる。
ネット前に返ってきたらプッシュかヘアピン。注意したいのはクロスロブの高さ、低すぎると相手が飛び付いてフォアで叩かれるので要注意。

◎左利き選手からのアドバイス
 [佐々木翔]クロスが有利といわれて、クロスでの展開で振り回そうとする人がいますが、相手が慣れてしまうとストレートも効かなくなるので 右利きの人と同じように基本のストレートがきちっとできるようになってからクロスを使った戦略を立てよう。
 [桃田賢斗]上からのショットは相手にしたら対応しづらいだろう。左利きの選手は慣れていないということと、腕の出所が分かりづらいことで 対応が遅れる傾向がある。右利きの選手がラウンドでの対応が遅れ気味になるが、左利きはフォアなので対応が速くなる。こうした少しの差が タイミングのズレとなって有利に展開できる。

●シャトルの構造による左利きのメリット
 『どういうレシーブをしてくるのか』『どういう動きをしてくるのか』など、事前に相手の情報を入手できれば大事な局面で役立つこともある。
また、サービスは相手に関係なく、自分のリズムで打てる唯一のショットであるので、間をとっりメリットを最大限生かそう。  最後に、ダブルスほどシビアでないにしろ、シングルスでもシャトルを浮かせないように心がけ、緩めに打てばネット際にヘアピンが返ってきたり、 速いサービスには速いレシーブが返ってくる。これらを念頭にサービスしよう。
(^_^) 

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