★スマッシュの使い方
 ポイントを取るために、スマッシュをどう利用していくか、自分のプレー7や戦い方の参考にするために、 スマッシュの使い方を「スマッシュを軸に戦術を展開する攻撃型」と「カットやクリアーなどを使って チャンスをつくるラリー型」に分けてみていこう。


○ラリー型のスマッシュの使い方(守備が得意同士の場合)
 ラリー型の特徴は、「スマッシュ一発で決めきる力が足らない」というイメージがあり、スマッシュの目的はカットや クリアーと同じように、相手を崩してチャンスをつくるショットとなる。
 特にラリー型同士の試合になると、より「崩す」という意識は高まる。速さではなく、コースや角度といった精度の勝負になってくる。 勝負の決め手になるのは、そのスマッシュがどのくらい有効打となっているかだ。
 ラリー型のスマッシュは、相手の構えの重心を下げることが一つの狙いになる。崩すことが前提なので、"角度のあるスマッシュをサイドライン付近に 打てれば成功"くらいに考える。相手が重心を下げて構えれば、クリアーや短いカットなどが効果的になり、スマッシュが速くなくても、得意の ラリー勝負で優位に進めることができる。
 ラリー型が注意すべきは、「スマッシュで崩す」ことにとらわれすぎて、フルスマッシュを打たなくなること。フルスマッシュがないラリーは、 相手にしてみれば"怖さ"を感じないので、チャンスはもちろんスマッシュをねらっていくこと。
その他の場面でも、「打ってこないだろう」と思わせた相手に対して、意表を突くフルスマッシュは有効だ。
 ラリー型の選手がスマッシュを効果的に使うポイント*は、クロススマッシュの精度を高めること。
基本的にレシーブ側は、ストレートスマッシュを待っているので、精度やフォーム、タイミングを工夫してクロススマッシュで相手の逆をつくことが できれば、甘い返球を誘い、ラリーを優位に進めることができる。
[*ポイント例]

○攻撃型のスマッシュの使い方(攻撃型同士の場合)
 攻撃型の選手同士の場合、ストレート、クロスを問わずフルスマッシュの打ち合いが多くなる。試合前半で自分のスマッシュが どこまで通用するかを判断しつつ、後半の体力も考えながらスマッシュを配分する。
 相手より攻撃が上回っているのならスマッシュを主体とした戦い方でも良いが、そうでない場合は、スマッシュを打たせない戦術を使えるように 準備をしておこう。
 また、攻撃型同士の試合では、長めのヘアピンやレシーブが多くなる。長めのリターンで相手に短いヘアピンを打ちにくくし、ロブなど大きく上げさせる 展開をつくり、得意なスマッシュにつなげようとする。ネット前に短くリターンすると、ヘアピンで落とされて先手を取られる場合がある。
 スタミナや細かな技術に不安がある攻撃型は、ネットプレーよりも長いリターンでロブを誘い、攻撃展開をつくるほうが有効な戦術だ。 特に、攻撃の主導権を握っているときは、ネット前の勝負を極力避けて、攻守の入れ替わりを少なくしよう。
 攻撃型同士の対戦で主導権を握る一つのポイントとして、相手の構える位置をズラしながらラリーする。相手に自分より低い位置で打たせ、 相手に「主導権を握られている」と感じさせることが理想。相手の焦りやミスを生み出す要因にもなる。"高い打点の奪い合い"でリードすることが、 攻撃型同士の対戦では重要だ。
 攻撃型のポイントは、相手のロブやドライブを打つ位置がネットより下で打っている時間が多ければ、自分の攻撃が聞いている証拠。
高い打点で攻撃する時間をキープしながら、甘いロブやドライブを確実に仕留めていこう。
[*ポイント例]

○攻撃型のスマッシュの使い方(ラリー型と対戦する場合)
 攻撃型の選手がスマッシュを使ってラリーを組み立てる場合、ストレートスマッシュやボディスマッシュを使う。 速さと角度のあるスマッシュを打ち込み、相手の返球をプッシュやヘアピンで落として攻撃を持続しながらポイントをねらう作戦だ。
 スマッシュのセオリーとして、質の高いスマッシュをストレートに打てば、相手のリターンはストレートに返ってきやすい。 スマッシュからプッシュまで最短距離で動くことができれば、体力の消耗を抑えながら主導権を握ることができる。
 ここで考えておくべきは、スマッシュは一発で決まるわけではなく、必ず2回、3回と連続で攻撃する意識が重要。
あくまでも相手はレシーブすることを考えて、ラリー戦に持つ込みたい相手の場合、ショートリターンに持ち込んでくる。 前後に走らされると攻撃型の選手は、後半にスタミナ切れを起こす可能性があるので、自分のスマッシュの質と相手のショートリターンを常に セットで考えることが必要になる。
 これを踏まえて、攻撃型はストレートスマッシュを軸にラリーを組み立てる。特に勝負所でストレートに角度をつけたスマッシュをしっかり打って、 浮いたリターンや長めのリターンを仕留めるイメージで組み立てる。(図3)

 このときのポイントは、クロススマッシュを有効に使う。ただ、相手がラリー型の場合はクロスへの順応も早く、遠い場所にショートリターンを ねらってくる。(図4)
 クロススマッシュがラリー型の相手にあまり効果がないと感じたら、スマッシュはストレート主体に、クロス系はカットやクリアーで意識づける方が 効果的だ。何回もクロススマッシュを使うより、ここぞという場面で角度のついたクロススマッシュを打つ意識でいこう。

[ストレートスマッシュからの戦術例]
 スマッシュを打った後、相手からのショートリターンを攻撃型がクロスヘアピンで対応するパターンも是非覚えておこう。リスク回避の場合、 ストレートにヘアピンを落としても構わないが、より相手を崩す展開を続けたいのならば、クロスヘアピンも打てるようにしておきたい。 しっかり練習をしておくこと。

(^_^)

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