飛距離が長くなるほど風の影響を受ける。ストレートよりもクロス、とくにクリアーやロブ、カットなどの精度に影響を受ける。
(2)ラケットを止めて調整してはいけない
風があると、コントロールすることに意識が向き、足が止まりがち。フォロースローを取らずにラケットを取れるのはＮＧ。止めるのではなく、 ショートスイングにするなど、スイングの大きさで調整しよう。
(3)早めに風を把握する！
試合でコートに入ってから風を把握し、どうするかを考えていては遅い。朝、会場に早めに着いて情報収集しておく、羽根を使った基礎打ちが可能でなるなら、 照明や天井・壁とともに風の流れを確認しておくように心がける。
【横風のとき】
風の中でも、横風が一番対応が困難。打つ瞬間に打点がブレやすく、きれいに当てるのが難しい。それでも、打ちたい方向に向かってしっかりフォロースルーを 取ることで修正は可能だ。スイングを止めるのではなく、振り切る。フォロースルーが大きくても小さくても、シャトルを押し出せば、しっかり前へ飛んでいく。 サイドアウトに注意してコースを定めよう。
作戦① ストレートベースで戦おう。
クロスよりストレートの方が風の影響を受けにくいので、ストレートベースで組み立てておけばサイドアウトのリスクが回避できる。たまに打つクロスが少し 内側に入って甘くなっても利く可能性もある・・・。
シングルスでは、横風の風上(下図)のとき、フォアからのストレートクリアが使えるかがポイントになる。とくにフォア奥に追い込まれたときに、 クロスはミスをしたり、ストレートカットは相手に読まれて追い込まれる可能性があるので、ストレートクリアーがしっかり打てるよう練習しておこう。
作戦② ダブルスのスマッシュはストレートと真ん中ねらい
風に乗ったクロススマッシュはアウトになりやすい。その逆は内側に入る上に軽くなってしまう。そうなると相手にストレートに抜かれやすく、自分が不利になる 可能性が高くなる。
後衛が左右に振られて、前衛も止められないといったことがないように、風上でも風下でも真ん中とストレートで勝負するのがより良い選択だ。
これもアリ・・・風下からはクロスカットもＯＫ 横風の風下のとき(図の左サイド)は、たまにクロスカットを打つのもアリだ。 横風のカットは打点がプレてコントロールが難しいのだが、風下からはアウトを怖がらずにラケットをしっかり振れるし、その勢いで体も前に出やすい。 相手の返球にも対応しやすくなる・・・。
【向かい風のとき】
自分が風下に立つときは、自分のシャトルが飛ばない上に、相手の攻撃は風に乗って威力が増す。コート奥への球は甘くならないように打つことが大事だ。
それ以外のショットも"いつもより奥へ飛ばすこと"を意識しよう。低く速いロブを打っても、逆にこちらが追い込まれるハメに陥ることも・・・。
ドライブもダブルスで球足が短くなると前衛に止められる危険も増す。
シングルスでは、向かい風が有利になることもある。シングルスのラリーは崩しあい、ダブルスより攻撃されることが少ないので、ラケットをガンガン振って
相手を崩せた方がいいという選手も多い。
作戦① バックアウトさせる練習をしておく
"いつもより奥へ飛ばす"戦いをするために、普段から長めに打ったり、わざとバックアウトする練習をするのもいいかも [ただ、実習棟の後ろは狭いので注意！]。
風下は飛ばない分、ラケットを思いっきり振れるのは利点だ。試合で急に"いつもより奥"を意識して打つのではなく、練習のときからイメージしていくおくといい。
作戦② シングルスでは低く速いロブ＆ヘアピンで攻撃に転じる
追い風の相手は、球足が長くなりやすい。それを利用するには、相手のヘアピンが長くなったとき[図の①]、低く速いロブで相手を後ろに追い込む。[図の②]
バックアウトが怖い相手はネット前に落とす確率が高い[図の③]。そこをねらったヘアピンも有効[図の④]。こちらの球足は短くなるため、相手は低い打点で上げざるを
得なくなる[図の⑤]。バックアウトを気にして甘くなりやすいので、そこを攻め込む[図の⑥]。
練習時に、球足が短いときは高いロブ、長いときは低く速いロブといった"打ち分け練習"をノックやパターン練習でやるのがオススメ。
作戦③ ダブルスはロングとショートレシーブを効果的に使う
ダブルスは、風下のとき守る場面が多くなることが予想される。そこで負けないためには、ロングとショートレシーブをベースにするとよい。ロングは鉄則通り
奥へ。ショートは向かい風を受けて以外にネット前に落ちるため、相手は球の下まで入れずプッシュをミスる可能性がある。相手の前衛がこれに対応するために
ポジションを上げてくれば、スマッシュの威力が落ちたときや、浮いたとき、こちらからのドライブレシーブで前衛を抜くことが可能になる。
ダブルスのレシーブはロングかドライブが主だが、ショートもしっかり打ち分ける練習をしておくと良い。
【追い風のとき】
風上で一番避けたいのはバックアウト。風上のときはコート半分から前の勝負をするつもりで・・・。相手はオールコートで勝負してくるが、簡単には上げてくれない。
自分はサイドと前を上手く使って攻撃のチャンスをつかもう。上げるときは、後ろで崩そうというのではなくつなぐ意識で！。もしくは、甘くてもいいので、
ダブルスのロングサービスラインでいいので高く上げる。低いロブは力加減が難しくアウトになりやすいので、高めに打つのがポイントだ。
作戦① シングルスは長いヘアピンをマスターしておく
風上ではすべてのショットの球足が長くなりやすいので、ネット前ギリギリをねらっても、予想以上に伸びると相手が対応しやすくなる。使いたいのは、
ショートサービスラインを越えるくらいの長いヘアピン。相手は差し込まれて甘い球を上げてくるか、長いヘアピンで返す確率が高くなる。ネットから離れると
処理が難しくなるので、こちらが優位に試合を運ぶことができる。
これを意識した練習は「前無し、後ろ無し」のゲーム練習。低く速い展開はコントロールが難しいが、正確にねらえるよう意識して練習しておくこと。
作戦② ダブルスは"ノーロブ"戦術を
鉄則通り、風上ではシャトルを上げず、低く速い展開の勝負を挑むのがベスト。ドライブやネットで相手を崩し、上げざるを得ない状況を作って攻撃に転じよう。
そのための練習は２対２のノーロブ練習。速い展開でのミスを減らすため、スイングをコンパクトにするのがコツ。実戦では、不意にロブを入れて揺さぶるのも効果的。
一般的にダブルスでは攻撃で決まる確率が高いので、追い風の方が有利、攻撃チャンスを生かしていこう！
こんな奇策も・・・飛ぶ、飛ばないをシャトルで再現する シャトルについている番号は季節に応じて２番とか４番とかがある。
数字が大きくなるほど飛距離が出るように調整されている。気温が低くなると飛ばなくなるので、冬場は飛びやすい４番や５番などを使用する。３番が適切なときに、
あえて５番で練習すると追い風(風上)パターン、冬場に２番を使うと向かい風(風下)パターンを疑似体験できる。
(^_^)