【分析】ダブルスはサービスの精度によって自分たちが守りからラリーを始めるのか、それとも攻撃からラリーを進めるのかが決まってくる。そこで自分は、
サービスの質や3球目で優位に立てるコースなどを常に考えているので、今回のテーマに「サービス」を選んだ。
高校までは「強い球を打たせなければいい」と思っていたが、トップ選手の動画などを見ると3球目でラリーの主導権を握っている、また、サービスが上手い
選手ほど簡単に点を取っていたので、自分もサービスへの意識を高めてサービスの重要度を認識した。
ショートサービスの意識・・・
一番は浮かせないこと。ネットを通過するとき、いかに浮かさず相手コートに落とせるかを考える。
ねらうコースは、打つ前に相手の構える位置を確認してから決める。試合前に映像や他の試合などで確認ができるなら、相手のクセやレシーブの傾向を事前に
覚えてからコースをねらうようにしている。
理想のショートサービス・・・
ネットを通過するとき、羽根がかすかに当たってライン際に落ちていくサービスが理想。
ただ、理想のサービスは、なかなか簡単には打てないもの。でも理想のサービスの質を100と考えるなら、自分としては毎回80ぐらいのサービスを打っている。
ロングサービスの意識・・・
ダブルスではまず使わない。その理由は、ショートサービスに自信があるから。
ロングの精度が自分の中ではまだ高くないので・・・。ロングは高さや距離が難しく、失敗するとスマッシュ一発で決められてしまうし、アウトにもなりやすい。
今は、ショートサービスで相手に上げさせて、自分たちの展開に持っていくようにしている。
●3球目を考えることがサービスの質につながってくる
メンタル面で意識していること・・・
サービスはメンタルが大事なので、練習から常に試合を想定して同じルーティン、同じフォームで
打つよう心がけている。19オール。20オールなどしびれる場面では緊張するが、自分は常に"ラブ・オール"と考えて、スコアに左右されないメンタルが保てていると
思う。
サービスを恐れてはいけない・・・
相手やスコアを見て"恐い"とか"イヤだな"と思ったら、その時点で相手が有利になるので堂々と打てばよい。
それが難しいのであれば、すくなくとも自分の心境がばれないように、表情に出さないようにしたいもの。
3球目にどうつなげるか・・・
自分の中では3球目が大事。そこで優位に立つためにサービスをどう使うか。
サービスの質だけにこだわっても、結果としてラリーに勝てないと意味がないと思うので。それに、3球目をどうしたいのか考えることが、結果的にサービスの質につながる。
サービスとつばのプレーをセットで考えておくことが大事だ。
●サービスへのアプローチ
打つ前に3球目の対応を考える・・・例えば、偶数コートからのショートサービス。基本はバックハンド側(左サイド)のネット前が5割、自分の頭の上が5割のイメージで
返球を待つ。
そこから、相手の返球コースの傾向や打ち方を見て、待つコースの割合を変えていく。 もちろん、自分がどこを待っているのか
をパートナーの小林(優吾)に伝えないと連動しないので、どのコースをカバーして欲しいのかを先に伝えておく。
右足重心で間を上手く使う・・・自分なりのルーティンである、ポジションについたら前後に開いた両足に体重をかけ、そこからラケットを構える。
次に右前足に体重を100%かけて準備が完了。ここから相手との駆け引きとなり、間を取りながら自分のタイミングで出すイメージだ。
当てる面の位置はスイートスポットより先端近く。シャトルの持ち方は、コルクを自分の方に向くようにしている。ポイントは前足に重心をかけるまでの一連の流れを
リズムよく作ること、下半身の安定が大事だ・・・・。
ペアの特徴を生かすレシーブ・・・自分たちは左右ペアなので、奇数コートで構えるときは、打った後に右サイド側を意識的に待つことが多い。
そうすると、
(左利きの)後衛の小林が左サイドに動くので、そのままフォアで攻撃できる。
あとは小林のスマッシュを引き出すために、ネット前に落としたり・・・。相手にもよるが、自分たちの特徴を生かすレシーブをねらっている。
[保木卓朗のサービス論] どんな練習でも試合と同じようにサービスする
サービスの質にこだわるというより、まずはラリーを優位に進める意識で打つよう心がけよう!。そのポイントの一つはタイミングの取り方。
毎回同じリズムだと相手に攻撃されやすいので、構えて2〜3秒ほど間をあけたり、構えて直ぐのタイミングで出してみたりと、「間を使う」ことにもチャレンジしよう。
また、普段の練習では"浮かせない"気持ちを強く持つ。基礎打ちやパターン練習、フリー練習など、サービスを打つ機会は多くあるので、試合に臨むような気持ちで
サービスをする。日頃からサービスの質を高めていこう。