●スマッシュへのこだわり
一番心がけていることは、やはりコース。コースがいいと多少スピードが遅くても決まることがあるから。スマッシュを決め球で使うというよりは、
その次をねらうために"相手を崩す"なので、特にコースを大事に打つようにしている。
基本はストレート。クロスを使いすぎると相手に返された後が大変。クロススマッシュを打つときは、決める意識よりも"見せ球"として打つことが多いと思う。
1試合の中で印象的なクロスを1、2本入れると、相手の頭にそのイメージが残るので、あとはストレート中心でも十分にいける。
フルスマッシュを打つのは1試合に数回程度。コートの奥から打つときは100%ではなくコース重視。体勢が良くないときは
ゆっくりスマッシュ、余裕があるときでも、あえて遅いスマッシュを打って相手のタイミングを外すことをねらっている。
次のプレーにつなげる手段の一つにスマッシュがある。 打つ前に相手の体勢がどれだけ崩れているか、戻る準備が出来ているか
見ているつもり。打つコースの確認としてラインも見ている。
よく跳びついて打ちに行くのは
相手が準備する前に打ちたい、早くさわりたいという気持ちから。遠藤(大由)選手や渡辺(勇大)選手のような
滞空時間の長い、空中で止まって見えるジャンプスマッシュがうてたらいいなと意識して打っている。
ジャンプ力を高めるというよりは、シャトルの下に素早くはいるなど落下地点に入るまでの時間を短くする意識をもつ。跳ぶことで体がブレないようにバランスを取ることを
大切にしている。
●スマッシュへのアプローチ
スマッシュがすごい選手、スピードでいうならインドのシンドゥ選手。とりあえず速いので、反応が遅れたらあっという間に通り過ぎる感じ。キレ味ではインタノン選手(タイ)。
コースがよく、スピードもあり、手元でもスピードが落ちない感じ。男子シングルスのギンティン選手(インドネシア)のスマッシュもフォームがキレイでよく見ている。
彼はシャトルの下に入るスピードが速いし、打った後の動きも速い。大柄でもない中であれだけのスマッシュが打てるのがすごい。
ハーフスマッシュで組み立て。 手打ちにならないように腰の回転や体をひねりを使って打つことを心がけている。
斜め前に跳ぶ。 シャトルの落下地点よりは少し後ろに下がり、斜め前に跳ぶようにスマッシュを打っている。次のプレーに
移りやすいし、シャトルに勢いが伝わりやすい。自分にとっては斜め前に跳ぶということがフットワークの一歩目とという意識だ。
戻るスピードは常に同じ。 打ち終わった後、右足を前に出し、次の球に対しての意識も大切にしている。とくに、
緩いスマッシュを打ったときには次の動きが遅くなりがちだが、戻るスピードが遅くならないよう注意している。
[山口茜のスマッシュ論] 速さだけがスマッシュじゃない! 使い方にもう一工夫しよう!