★戦術の組み立て方

戦術の組み立て方がわからない
 バドミントンの戦術を深く考えずにプレーしている人は以外と多いのではないか。相手が打ってきたシャトルを返すだけとか、何となくの経験則で やっているとか、そういったケースが多いように見受けられる。
 今回「もっと頭を使ってバドミントンをしよう!」ということで、戦術の第一歩、まずは相手を観察するところからスタート。


[相手の体型を分析] 相手のプレースタイルが見えやすい
 身長が高い相手なら、低いロブはつかまりやすいので高めに出す。身長が低ければ、低くて速いロブで抜くことも可能だ。 重量級でスタミナがなさそうな相手には長いラリーで勝負(自分が自信が無ければダメ)。足が隆々とした筋肉であれば、踏み込んできて打つことも できるのだろうな、とか考えられる。
右利きか左利きもチェックする。
 初級者、上級者を問わず、パッと見た目から入るのは同じ。そこから、どのくらい動けるのか、フットワークは速いのか遅いのか、手元が器用なのか 不器用なのか、どんなショットが多いのか、どのコースが得意なのか、苦手なのか、相手のスタンスなども細かい部分を見て戦略を組み立てていく。
[相手の性格を分析] 次のプレーが予測しやすい
 体型の次に性格を観察する。プレーには性格が出る。こちらが点数を取り出すと攻撃的なプレーをしてくる。中盤以降点差が離れないと焦って無理に打ってくる。 こんな時、こちら側がポイントした後、相手の「すぐに取り返したい」という心理状態を読んで、サービス後は相手の攻撃に備えよう。
 また、サービスリターンでネットミスをした相手は、次のリターンでロブを選択しやすいなど、ミスの仕方によって次のプレーを予測しても良いのでは・・・。  落ち着いている選手は、点差が離れても安定して球を入れてくるし、自分のリズム、自分のベスでプレーを続けてくる選手は、手強い相手といえる。
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シングルスの戦術・・・ネット前がうまい選手に対して
[point 1] 避けたいのは、ネット前におびき出されること。そこで勝負すると、プッシュで決められたり、ロブを上げざるを得なくなるなど、相手の思い描く展開となってしまう。
 心がけたいのは、相手に時間(余裕)を与えないこと。そのために、自分の方が高い位置でシャトルをとらえ、相手にネットより下で取らせるようにする。
早いタッチで沈め、相手にいい態勢でネットプレーをさせないこと。それが相手の得意技を封じ込める一手だ。
 相手からのリターンを誘い出したいかによって前後を決める。ヘアピンでのリターンが多い相手に対してはやや前気味、プッシュやハーフが多い相手に対しては少し 後ろ気味にする。
[point 2] ネット前から遠い位置に打つ。相手のネットプレーを封じるためには「長めの球を出す」こと。ショートサービスラインより少し後ろへ球を出せば、 ネット際の厳しいところへヘアピンが入ってくるのを避けられるので、こちらも対応しやすくなる。
 早いタッチでネットより下に沈めれば、相手はネット前でのフェイントをする余裕もない。そらに長めのショットがうまくコントロールできれば、 相手のリターンが長めに返ってくるケースも増えてくる。
[point 3] 後ろに下げる! 相手を後ろに下げてプレーさせるのは、自分のディフェンス力やスタミナも必要になるが、相手に後ろから強く打たせてスタミナを 削れば、ネット前の精度も少しずつ落ちてくるし、得意のショットを封じることで互角に戦える可能性がでてくる。 できたら、自分の得意なパワーとスタミナで勝負したいものだ。
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シングルスの戦術・・・パワー系の選手に対して
[point 1] 先に沈めて、いい形で打たせない! 中途半端に上げると強打で押し込まれる。まずは自分から沈める球を増やすことが大事。
 ロブなどを上げる状況になっても、相手に強い球を打たせないことを心がける。たとえば速いロブやクリアーを使って、相手がパワーをためる時間を与えず、 いいフォームで打たせない。60%〜70%ぐらいの力で打たれたスマッシュなら、こちらも対応できるハズ。
[point 2] ネット前に引きつける。いい形で打たせないために、相手をネット前に引きつけるのも効果的。前に引きつけておいて、コート後方に低いロブで抜く作戦が有効だ。
相手の上体があおられていれば、体重の乗ったスマッシュは打たれない。また、ネット前に引きつけておいて、ラウンドにスパッと抜くのもいい戦術だ。
 サービスの場面では、ショートを打って、一度ネット前の近くで打たせてから後ろに追い込む。徹底して前に引きつけて、攻撃を封じ込めよう。
[point 3] 相手に打たせて主導権を握る。レシーブが得意で、自信があれば「打たせて勝つ」という戦術もある。ただ、こればゲーム序盤から中盤に限って 試せる戦術だ。終盤まで打たせ続けると、勢いに乗って最後まで打ち砕かれる可能性があるので注意を要する。
 パワーがなくスマッシュを武器としていない相手には、どんどん打たせていってもOK。「打ってこい」という意図をもって配球すれば、相手も戸惑うこと間違いなし。 相手の得意分野でなく、苦手分野に引きずり込むのも戦術の一つだ。
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シングルスの戦術・・・ねばり強いラリー系の選手に対して
[point 1] ラリーを切るために前で勝負! ねばりが身上の相手に対しては、ラリーを早めに切ることを考える。その方法として、スマッシュやカットで切るのか、 ネット前のヘアピンやプッシュで切るのか。ラリーを切りたくない相手はどんどん沈めた配球をねらてくるので、ネット前で勝負しよう。
簡単にはチャンスが来ないので、積極的に足を使って前に詰め、プッシュなどで相手のペースを崩していく。
 逆に、ねばり強い相手には”あえて攻撃させる”のも効果的。守りが強い半面、攻撃があまり得意でないケースもあるので・・・。
[point 2] 相手の意図や出方を見て戦術を変える! ラリーでねばりたい相手との試合では、最初はクリアー合戦になるだろう。 こちらがスマッシュで決めるようになると、相手は打たせないように前に引きつけてくる。そうなったら、へアピンやプッシュなど、ネット前でプレッシャーをかける。 すると、相手は展開を変えて、再びクリアー合戦か、ドライブ戦を挑んでくるかも・・・。
対人競技のバドミントンは、相手の意図や出方を読んで、自分との力関係をはかりながら、戦術を変えて戦うことを意識しよう。
(^_^)

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