★カットの戦術[シングルス]

攻撃的ラリーの思考
 パワーが有ればスマッシュを軸とした戦術がとれるが、そうでない場合はカットを使いこなすことも考えなければいけない。 ただむやみにカットを打ってもダメで、技術や戦術をマスターして自分の戦術の幅を広げよう。


[カットが得意な選手]
 カットを受ける側の選手にしてみると、攻撃の回数が減ってしまう可能性がある。相手を奥へ追い込んだときに、カットの苦手な選手はクリアを選択する場合が多い。 しかし、得意な選手はクリアーと同じフォームからカットを打ってくるので、ネット前の球もカバーしなければならなくなるので見えないプレッシャーを受けることになる。
[カットが苦手な選手]
 カットが苦手な選手は簡単なミスをする傾向にあり、それだけで点数がとられる。スマッシュなどの力勝負を仕掛けてくるので、受ける側はスマッシュやクリアーなど 球足が長いショットなどに集中できる。ネット前への警戒を減らせるので先相手から読みもされやすくなる。
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●ストレートカット(フォア奥から)・・・相手にネットより低い打点でとらせることを考える。
 質のいいカットが入ればネットへの返球率はフォア前40%、バック前40%で、バック奥へ20%といわれるので、いいカットが打てたら前に出てネット前を意識する。 必ずしもセンターに戻らなくても若干右サイド寄りでもOKで、相手の返球をより高い打点でとらえてラリーを優位に進めていく。
 カットが甘く入ってしまったり、カットを打つとき体勢が崩れてしまった場合は、素早くセンターポジションに戻る。4隅とも25%の可能性があるので、どこに打たれてもいいように 構える。
[ストレートカットからの攻めパターン]
 ストレートに質のいいカットが入ったときに、相手が苦しい体勢から打ってきたヘアピンをねらう。ねらうのは高い打点からクロスロブ。さらに追い込まれた相手からの 甘く返球された球を前に詰めてプッシュで決める。

●クロスカット(フォア側)・・フォア奥からのクロスカットは決め球としても使える。
 ただ、状況をしっかり把握してから打つことで、より効果的に決めることができる。相手がコート奥からクリアーを打ってきたとき、空いているスペースを速い クロスカットでねらうのがセオリー。
 もし相手がクリアーを打った後の戻りが速かったり、体勢に余裕がある場合は、こちらが打ったクロスカットをネット前に落とされると形勢が逆転してしまう。 空いているので打つのではなく、決め球になるか、ならないかの判断が大切だ。
[クロスカットからの攻めパターン]
 クロスカットで決めるということを逆算して考えてみると、一番遠い位置、つまり相手のラウンド奥でプレーさせることが必要だ。ここでクリアーを何度が打ち合い、 相手の戻りが遅いと見るやクロスにカット。ここでの注意点は、決め球になると判断したときの自分のポジション。試合では一発のクロスカットで 決まらない場合を想定して、全力でネット前への返球に備える。
クロスカットが甘く入ったら、無理に前に詰めず、センターで相手の返球を待つ。

●ラウンド側からのカット・・ストレート、クロスどちらをねらう場合もフォア奥からのカットと同様。
 ただ、ラウンド側からのカットについては、フォアに比べて腕や肩の可動域が狭く、懐も広くはとれないので打ちにくい。体がうまく使えないため、 浅い切り方になる可能性が高くなる。ラケット面やラケットワークの感覚をつかんでおこう。
[ストレートカットからの攻めパターン]
 ラウンド側からストレートにクリアーを打ち合い、クロスカットで決めのがセオリー。けれども相手がクロスカットを警戒している場合は、ストレートのカットに切り替える。 ストレートにクリアーを打ち続けるフォームからスッと前に落とす。不意をつかれた相手は反応が遅れるので有利に展開できる。
[クロスカットからの攻めパターン]
  自分がネット前からストレートのロブをバック奥へ打った後、相手はクロスクリアを打ってきた場合を想定する。自分が苦しい体勢になったらクリアを打ちたくなるが、 相手はそのクリアをねらっているのでポジションは後ろになりがち。ここで前にカットを落とすと、相手は反応が遅れたり、移動距離が長くなるので相手の対応は遅れる。

※ カットはクリアやスマッシュと同じフォーム、スイングで打つのがポイント。まちがってもカットを打とうと力を緩めたり、 スイングを遅くするのは禁物。(^_^)

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