「メンタル・コントロール」実践編

●井上拓斗(日本ユニシス)・・・試合中は、ミスを引きずらず、冷静でいることを心がけている
 バドミントンはメンタル野影響が大きい競技だ。男子ダブルスは特に展開が速いので、少しでも気が引いてしまうと点数が一気に離れてしまう。 それだけに、気持ちの持ち方と集中力は、試合に勝つためにすごく大事な部分だと感じる。
 僕が気持ちの持ち方で心がけているのは、ミスを引きずらないこと。また、相手が挑発的なプレーをしてきたときでも、イライラせず、冷静でいられるように コントロールしている。
 試合直前のコート内練習の後で、一人になって目を閉じて、深呼吸をする。さらにゲーム開始直前には、ハーフパンツのヒモをきつめに結び直す。すると 気持ちが引き締まり、試合のスイッチが入る気がする。
 [アドバイス]何か一つでも自信になるものがあると、強い気持ちでいられるので、「練習量では負けないぞ」とか「運動量は負けない」とか、 そういう何かを作って、自信を持ってプレーしよう。
●西本拳太(トナミ運輸)・・・練習では無理に頑張らず、耐えて次の成長を待つことも大切
 試合では"己に克つ"という気持ちで、とくに劣勢な場面でも自分を鼓舞して、とにかく巻き返してやろう、という気持ちを強く持つようにしている。
A代表に入って気づいたことは、"勝つ選手はみんな前向き"だということ。一つの負けに執着しすぎるのではなく、次を見ているように思う。
 自分にとってのメンタルは、最終的に「我慢」につながってくる。我慢にもいろいろあって、苦しい場面での我慢、決めたいときにきめない我慢、 ダブルスならパートナーのミスを我慢することも大事になってくる。
どうやって我慢するかというと、日々の積み重ねが大きい。注意することは負け癖をつけないこと。初戦負けや逆転負けが続くと、自信をなくして勝ち方を忘れるけれど、 そんな時ほど、漠然と勝ちたいと思うだけで何の作戦も持っていないことが多い。目先の勝利を求めている傾向だ。そうならないように、練習でも試合でも 常に勝ちにこだわる。そして一本にこだわる。次の一本をどう取るかを考え続けることが大切。
 [アドバイス]私生活の過ごし方が、結果としてバドミントンにつながる。また、自分の弱さを受け入れることも大切。人に言われてイヤだなと思うことも、 逃げずに受け入れて、自分の成長につながるとと思えれば、メンタルも自然にいい方向に変わる。
●高橋沙也加(日本ユニシス)・・・試合直前に、初心を忘れないためのルーテイン
 試合直前にいったん壁の方に行って、目を瞑り、辛かった時を思い出して、「またコートに立てる喜びに感謝しながら頑張ろう」と心の中で呟く。 試合に勝っても負けたも自分の納得するプレーをするため、このルーティンがプラスになっている。
 プレッシャーや緊張感を克服したのは、先のことを考えずに、とにかく目の前のことに集中することだ。目の前の相手、目の前のポイントに集中すれば、 自然と自分のゾーンに入り、いつの間にか緊張を感じなっていることが多いと思う。
 [アドバイス]どれだけ勝ちたいか、負けないという気持ちをいかに強く持てるか、また「これだけは誰にも負けない」というものを持つことも重要。

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