格上選手と勝負するときの心構え
 1・2回戦は何とか勝っても、次はシード選手あるいは格上選手とという場合・・・優勝候補に勝つのは難しいが、実力差がそんなに離れていない選手であれば、 十分チャンスはある。

●前半から力を出し切る意識で
 格上選手は、動きのスピードやショットのコントロール、試合経験、戦術面などで上回っている。試合中の甘い返球は少なく、こちらが打つスマッシュやカットも 簡単には決まらない。自分にとっては、そのコースも返してくるのかと驚くのだが、決まったと思う球を返してくるから格上なのであって、そこでビックリする考え方が 勝てない理由だということもできる。
 格上選手との戦いでポイントとなるのは、「自分の力を出し切る」ということ。第1ゲーム序盤から攻撃、守備に全力で取り組む。ラリーが長引くからといって "次のゲームのことを考えて"うまく戦おうとしないほうがよい。決まらないなら走り回ろうと開き直った方が、相手にとって嫌なプレーになるハズ。
 ラリーで意識するには、守備から試合を組み立てるタイプの選手は、常にいい位置(打点)で摂り続けること。苦しいフォームでスマッシュやクリアーを打たないよう、 シャトルコントロールしやすい打点で打つ。ヘアピンやロブも打点が下がらないことを心がける。そして、いい位置で打つには動きの速さが必要とされるので、 フットワークの強化を図っていこう。
 攻撃も全力プレーが理想だが、速い球がいつも有利に働くかというと、格上が相手だとそうはいかない。むしろ速い攻撃仕掛けると、カウンターをくらって 精神的なダメージを受ける場面も...。
実力が近い相手には速い攻撃(=プレッシャー)になるが、格上相手はレシーブ力が高いし、速い展開にも慣れている場合が多い。そういったことを考えると、 まずはいい位置で打つことに専念して、自分に有利な場面を増やしたい。いい位置で取る・打つことは基本中の基本であり、これは強い相手に対しても意識すればできるプレーだ。
 また、格上選手にもプレースタイルがある。相手が攻撃タイプなら守り一辺倒にならず、先に仕掛ける回数を増やす。守備タイプなら、試合のリズムが一定にならないように、 タイミングを外すプレースタイルを増やしたり、多少粗くなっても速い攻撃を増やしたりする。自分のやりたいプレーを全力で やるだけでは勝利につながらない。相手のタイプや状況を試合前に分析し、ぶつかっていくようにしよう。

●先手必勝を心がける
 格上選手と戦うとき、"絶対に勝つぞ"という意識を持てないとき、開き直って"まずは自分の力を出し切ろう"と考えてみよう。21点をどう取るかというゲームプラン ではなく、まずは目の前の1点を取ることに集中する。
 ゲーム序盤の入り方も、「まずは相手の様子を見よう」と単純に考えてはいけない。格上に先手を取られたら、その後の展開は自分にプレッシャーがある状態で試合をしなければならない。格上に対するときは先手必勝を目指そう。
先手とは決める、決められるではなく、ラリー中、常に有利な場面を増やすイメージのこと。2〜3点のリードを保ちながら試合を進めるのが理想だが、そうもいかないので、 有利な展開を増やす努力を心がけよう。相手に「いつもと違うな?!」と感じて動揺させればメンタル面で優位に立つことができる。相手のプレッシャーでミスが増えれば、 (心理戦で)勝てる可能性も生まれる。 

●格上との差を埋める練習
 格上選手が強いのは、自分よりも経験値も高く、練習量も多く、競技に対する意識に差があるからだ。どうやってその差を埋めるのか−−、普段の練習の取り組みを変えよう。
昨今のジュニア選手は技術的にこなれているし、試合動画も手軽に見られる。トッププレーヤーのプレーで、低い打点やあまり動かずに軽々返しているプレーを見ているためか、 打点が低い選手が多い。それらはトップ選手だからの技だ! それらが初・中級の折からのベースになると、前後左右に揺さぶられて、フットワークのスピードも速くならない。
 今、中・高生に求められるのは、高い打点で打つためのフットワークを重視すること。得意プレーを伸ばすことも大事だが、格上相手との試合で不利な場面を少なくするには 動きのスピードアップが必要だ。
 練習の取り組みで意識するのは、先入観にとらわれない考え方
 そもそも格上と対戦するときは、「この選手には勝てない」と考えがち。それがプレーに影響する。先入観は日頃の練習から生まれるもの。 「どうせ・・だろう」とマイナス思考にならないために、練習時から前向きであれば、試合に臨む意識も変わり、プレーも変わっていく。

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